睦 種牛への道4
3月5日、とうとう買われて行きました。
6ヵ月齢を待たずして出ていくことになりました。大変な出世です。といっても、睦は珀の時とは違って、はじめから種が決まっていたので、生まれた時から出世街道が決まっていたようなもの。でも途中の検査に合格していることもありますし、なにより雄であったことは何か運命を感じてしまいます。今朝も何も知らずに一生懸命にえさを食べていました。食べ終わったのを見て、ぼちぼち手入れをしていると、近所の和牛の生産者の方たちが続々と見送りに集まってきて下さいました。総勢20名、皆で睦の祈願を行って、盛大な見送りの中出発しました。受け入れする事業団では、これまた多数の審査員の方たちに囲まれてしまいました。いろいろ触られ、計測されと睦も慣れない車での運搬とつなぎっぱなしに、いやいやをして落ち着かない様子でした。今回は1頭だけの受け入れでさびしいもので、次の4月の受け入れメンバーと一緒に増体試験を開始するそうです。試験は4月~8月でお盆のころに試験結果が分かるとか。結果が出るまでは心配ですね。今まで我が家では狭いところで体をくっつけあって寝てたり、小突きあったり、エサの取り合いをしたりと皆が周りにいましたが、今日からは今までの3倍くらい広い個室に1頭で過ごすことになるのでさびしいことでしょう。夜中に逃げ出さなければいいですが。また、今回種牛用の名前がつきました。「 茂勝王 」といいます。
ちなみに、この事業団のすぐ隣に試験場があって、母親である「たかもり」を見に行きました。お互いこんなに近い所にいるとは思ってもみないことでしょう。なにか「母を訪ねて・・・」みたいな感じになっていて、近日再会!こうご期待・・ と言ってしまいそう。そのたかもりは一生懸命食べていて元気そうでした。職員の方の話によると、気が強いらしく他の牛と一緒にしているとえらいことになるらしいです。そんなのがいた我が家の牛たちは皆仲よくしていたけど、荒くれ者の集団だったりして。そこでびっくりしたのは、そのたかもりの隣の部屋で食べていたのが「きよふく」という宮崎の種牛の「安平」をはじめ数々の種牛を輩出した母牛でした。昭和61年生まれで元気に食べていたのですが、それと肩を並べるようなところで今暮らしているのをみて、なにかたかもりに対する期待感みたいなものを感じました。たかもり家は家族総出で宮崎県の為に仕事をしていました。とりあえず元気そうでなにより。
全国和牛登録協会の会長さんだそうです。宮崎にいらしていて、たまたま今回立ち会っておられました。偶然というよりは、何か運命みたいなものを感じるなぁ。
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コメント
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こんばんわ。
毎回楽しみに拝見しております。
集合写真いいですね。
睦もきっと感無量だったのではないでしょうか?
徐々にいい季節になっていきますね。
これからも色々な情報発信お願いします。
投稿: えび玉 | 2009年3月 7日 (土) 20時46分
えび玉さん、どうもです。
日々いろいろなことが起きてますが、書く時間がないのが現状です。もっとまめに書いていければと思っています。でもこの種牛の件はしっかり残していこうかと思います。ひょっとすると名前が全国に広まったりなんかすると、その種牛になる過程や子供のころのことが書いてあるのはありませんから、と勝手に思っています。
ここ最近、新聞・ニュース等で農業について報道されることが多く、やっと行政が農業に目を向けてきたなと実感します。農業への転身のタイミングは間違っていなかったなと。でも高齢化は確実に進んでいて、もう待ったなしが現状。農地のビッグバン、手放された田畑があふれて、その受け皿が必要になってくるようです。現状維持と次の展望を見据えた準備が必要なようです。あー忙し忙しっと。
投稿: kawabata | 2009年3月 7日 (土) 23時54分
こんにちは まっ茶ですーー
たかもり母、元気いっぱいで よかったですー
睦も 広い場所で大きくなってください
投稿: まっ茶 | 2009年3月12日 (木) 17時08分
テレビのチャンネルを変えていたら、放送の途中でしたが、大分県の和牛農家さんの特集をやっており、牛を育てている様子やセリの様子等があり、今までこのブログで拝見していた様子が、動く映像で見られて「おっ。」と感じてしまい、ついついコメントを書いてしまいました。先のコメントにあった通り、全国的に農業に目を向けてきていると感じました。
がんばっていきましょう!!!
投稿: エビピラフ | 2009年3月12日 (木) 23時34分
見ましたよ~、私もニュースステーション!あのセリ市の価格はショックでしょう。最低限でも40万円は必要なところです。ここ最近確定申告があり、年配者の人の話を聞くと、ぜんぜん赤字で年金もエサ代に消えていくと嘆いていました。やめたらいいのにねーとも言っておられましたが、やっぱりやめられないと。牛を飼うことで日々の仕事ができ、農協だ、セリ市だ、品評会だと予定ができ、そして同じ牛仲間とのいろんな話題ができて、これが楽しいと。農業は定年退職が無いのでいつまででもやれるし、やることができることで地域のコミュニティーも作っているようです。ちょっと冗談のきつい敬老会みたいなものですね。そんなところへ私みたいな若者?が入ってくると物珍しそうに見られるし、逆にかわいがってもらえます。でも同じ立場で考えていると先は無くなるので、6次産業まではできませんが、何か違った切り口がほしいところですね。
投稿: kawabata | 2009年3月13日 (金) 00時00分