« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

2010年6月

2010年6月30日 (水)

勝った?負けた?誰が?

記念すべき日になった。全頭処分完了!

全ての患畜、疑似患畜、ワクチン接種家畜が、犠牲となって埋葬された。これは見る者の見方によって、表現が変わってくることになると思う。

「良かった。これで口蹄疫を撲滅できた。」

「長かった。客足が伸びず、経営が苦しかった。」

「広がらず良かった。宮崎県だけで済んで。」

「打ち勝った。防疫措置が効果を出した。」

「惨敗。あれだけ消毒したのに、ウイルスの侵入を許した」

明日の新聞、TVから、色々な方々が言葉を発してくることでしょう。

でも、本当に、この防疫措置で良かったのか?10kmってなに?3kmではだめなの?患畜と疑似患畜って?ワクチンてワクチンじゃないじゃん?なぜ殺すの?優先順位ってなに?なぜ他県は責めるの?お金しか見えてないの?報道は被害が広がる時しか報道しないの?再開することの行程表を誰か提示してくれないの?補償、生活支援の約束はマニフェスト?他国で蔓延しているのに準備してなかったの?これを政治の踏み台にするの?本当に口蹄疫ウイルスに真正面から向き合っているの?

農家から、「我が家から牛がいなくなった。どこに行ったの?」

牛から、「なんでみんな殺されたの?」

口蹄疫ウイルスから、「日本には3か月と短かった。どこから入って来たっけかな?でも、また来るね!」

2010年6月28日 (月)

田植え2010

今年も田植えができました。

口蹄疫で気持ちを翻弄される中、着々と時期は近付いてきて、なんとかこぎつけました。と言っても相変わらず少ない田んぼです。今年は3反(30アール)の田んぼに植え付けしました。去年とは打って変わって大雨の時期となり、水には困らず、逆に多すぎて困る結果に。でもやっぱ梅雨って必要と感じる一面です。

田んぼには前作として、牛のエサとなるイタリアンライグラスという牧草を作っているので、まずそれの収穫から開始となります。5月にいい天気の日が続いたので、一気に刈り取って、ロールにしました。

次にたい肥の投入。家にたまった牛のたい肥を1反に約3トン。これをきっかけに、まず掘り起こし。

次に肥料の投入。石灰、ヨーリン、肥料、そしてケイカルをそれぞれ散布し、2回目の掘り起こし。

再度、1週間程度間をおいて、掘り起こし。前作のイタリアンライグラスの根を粉砕し、土に戻してやる必要があるのです。当然この間、田んぼには畔(あぜ)がありますので、そこの雑草刈り取りが必要です。これが結構きつい。1反に1時間、エンジンの草刈り機を背負っての作業には少々難ありですね。

水入れして、代掻き。土と水を攪拌して、沈殿したところへ次の日に植え付けとなる。当然全体がフラットでないと、植え付け時に深かったり浅かったりしますので、とーっても難しい作業です。

次の日にやっと田植えとなります。苗はというと、最近はJAで作ってもらうので取りに行くだけ、便利になりました。苗作りは手間ですからね。(どーみても、ニセモノ農家の感じがしてくるのですが。)やっと季節労働者の田植え機に登場願って、少しの準備体操ののち、作業開始。今年も文句ひとつ言わずに作業に従事してもらいました。また来年よろしくzzz。年間労働時間、6時間ぐらいかな?

無事写真の通り、植え付けが完了しました。約2か月の作業ですが、牛飼い作業と天候と相談をしながらなので、これでも結構きついですね。作業員1名ですから。

今年はというと、内容に少し変化を付けています。1つはケイカルという肥料の追加。もうひとつは植え付け幅の変更。ケイカルは稲の茎葉を強くして、いもち等の耐病性をもたせ、倒伏に強くなるというもの。そして植え付け幅を広くして(20cm→23cm)通気性、日射量を増加させ、同じく耐病、体力を付けさせるというもの。ケイカルは例年入れていないのですが、農業新聞にケイカルを例年の2倍入れて1トン取りという記事があったので参考に。植え付け幅は、現代農業という雑誌に紹介があって、スケスケでいいと。昨年はまあまあの出来でしたが、一昨年の2008は散々たるものだったからです。毎年進化を続けないとおもしろくないです。農作業は脳作業。これも「農業への道」の一つですから。

P1040295水入れ。この後代掻き。 P1040305やっと田植え。コワれるなよー。

P1040345 なんとか植え付け完了。倒れないしっかりした稲になってよ!(ここんとこ祈ってばっかり)

2010年6月24日 (木)

運動場から牛舎に帰るところです。「次はわたしっ!」 (動画)

ご希望にお応えして、でも長いので見ないほうがいいかも。 牛舎に帰るところ。お腹のすいた状態ですので、みんな必死です。「次はわたし、次はわたし、次はわたしっ、わたし、わたし、わたし、わたしーーー。」先の牛が行くまで、近寄ろうともしないのもいます。毎回こんな感じです。 何度も言いますが、10分近くありますので、見ないほうがいいですよ。

2010年6月19日 (土)

みんなといっしょに走ってみました。野生の王国。(動画)

晴れ間にがあったので、運動場へ。牛舎の中だけではストレスが溜まり、晴れてくると「ほらっ、晴れてきたやないか?出してくれるんちゃうん?(なぜか関西風)」と言わんばかりに、こっちを見て鳴いてきます。仕方ないので出してやると、ご覧のとおりです。今回一緒に走ってみましたので、すごい臨場感たっぷりです。

2010年6月16日 (水)

梅雨の晴れ間のそれぞれ! (動画)

「殿」、「渾」、「ひみつ」、「渦」、そしてまっ茶色の「せかい」、突進してくる出荷遅延の「みなと」。早くセリに出してくれー!と、ストレスMAX中。  遅れて登場の「よかん」、わたしも出してぇ~。晴れはいぃぃぃなぁぁぁ。

CM 「みなと」は5月セリ予定だったメス牛です。現在出荷遅延中です。血統は福之国×平茂勝。H21.7.30生まれで、「やすよ2」の子7産目。ご用命の方は・・・セリ開始日に都城セリ市まで。

2010年6月12日 (土)

「せかい」に、興味津津。(動画)

「せかい」を初めて見る「ぎおん」興味津津、横の「ひみつ」には目もくれずに。そこへ、「みなと」と「 渾 」が軽快に走ってきて、「みなと」もクンクン。「 渾 」は私に興味が。「みなと」は戻っても、「ぎおん」はしつこく追いかけます。少しいじめか。最後に「こよみ」が何か一人で踊っています。

よく見ると、奥のほうで「 殿 」が支柱を小突いています。何か平和な一コマかな。

2010年6月11日 (金)

「せかい」、はじめての運動場。(動画)

「せかい」が走り回るのを載せました。おどおどしているのが、「せかい」です。お兄ちゃん、おねぇちゃんと一緒なので、分かりにくいですが・・・。支柱を倒して知らんぷり。

2010年6月10日 (木)

6/10口蹄疫確定。体制強化へ。 (追記)

今朝、都城市の口蹄疫が確定しました。

昨夜のうちに処分されたということですが、これから潜伏期間を経て発症する農場があるでしょうから、情報を注視していかないと。そう思うと、この1~2週間の間の行動の様子が、脳裏をよぎる。決して、人の多く集まる場所を避けていたとは思えないですし、消毒が徹底していたかも、不安。特に都城は盆地なので、人の行き来はこの中で完結しているので、人が人へは避けられない感じ。とりあえず、防疫の体制をレベルを上げて対応です。

みなさんご心配おかけしており、また励ましのコメントもありがとうございます。逐次情報も入れていきたいと思います。

P1040257飛行機により、制限区域が設定されたことと、消毒の徹底を呼び掛けていた。6/10AM

(追記)

今日、田んぼで畜産関係者と会うと、いろいろ情報が入っていて、でもどれも信憑性が乏しい。かなり情報が錯綜している。正確な発生農場や感染経路、うわさのアグラ、制限の範囲がどこまでか、次の発生個所予想、獣医師の診断に疑問、獣医師の行動範囲、消毒ポイントの抜け道等など。更には補償金目的の意図的感染で、廃業という目論見では、とまで出てきています。高齢化が進んでいたことと、景気が悪く収益が低迷していたことで、いい辞め時、みたいな話まで出てくる有様です。

完璧に士気が下がっています。少々の消毒で防げるものではないというような、諦めのような雰囲気です。

こんな感じだと、仕事に力が無く、精神的にも長丁場は持たない。早く、先を見据えた明るい話題がないと、感染拡大は止められない。だれか、みんなを未来へ引っ張る力強いメッセージを発信できないものか。

2010年6月 9日 (水)

都城市に口蹄疫疑い。

宮崎・都城市の牛3頭に口蹄疫感染の疑い 山田農水相が明らかに。

JA発信で和牛部会経由でも、連絡があった。20:30

いよいよ

2

都城市の高崎町、詳細は分からず。場所によっては10kmかも。

とりあえず発生農場の処分で進めて、あす影響範囲が出てくるだろう。

ただ、たかもり号は10kmに入ってくる。確実に

今現在、我が家の牛には症状なし。とりあえずホッとした。22:40

都城市高崎町大字江平と県のHPに出た。制限区域はあす告示。おおよその範囲は図のとおり。大きめになっているけど、10km~20kmは確実。都城は鹿児島の曽於市と生活圏が重なる。鹿児島に飛び火しなければいいが。23:55

3

2010年6月 7日 (月)

かつこ出産2010

かつこが出産しました。

かつこは前回、2産目のこよみを産んだ母牛で、そのこよみは郡の品評会に出場するまでになって、現在自家保留して、我が家に残っています。血統はかつこが福桜で、こよみは美穂国です。この子のときは、過去最高に並ぶ5回も種付けしてやっとついたのが美穂国でした。その甲斐あってか?生まれた時からおっきく、すらっと足が長くシャープな感じの牛でした。それも自然分娩で自力で出てきて、1時間で乳をのむ元気さもあったのです。この血統の組み合わせはいいのかな?と気を良くして付けたのが今回も美穂国でした。

前回の種付け遅れを挽回するがごとく、一発受精。妊娠鑑定もしないままでしたので、少しの不安を抱えながらの出産でした。それでも今回10日遅れでやっと陣痛らしき行動をし出したので、ちょっと安心して出産準備に。前回自然分娩をしていたので、今回も期待して見守ることに。近くで見ているとやはり気が散るらしく、ネットワークカメラで離れて監視し、ときおり見に行くようにしていました。破水、足等はやはり肉眼で確認しないと分かりにくいですね。逆子でもないことを確認したので、あとはかつこにお任せ。寝たり起きたりを繰り返しして、苦しんでいる様子、時間もだいぶ経つので無理かなと思っていた時、立ったままいきんでるところを、パソコンの画面で眺めていると、一気に出てくるのが見えて、慌てて産室に直行しました。びっくりしました、ホントに自然分娩したのと、その出てきた子がまたおっきいこと。去年の記憶がよみがえりました。こよみと一緒だと。そして女の子だと。

時間が遅かったので、初乳を飲むところは確認しないまま寝てしまって、次の日見たら元気にお乳をのでいました。あれっ、この子夕べ生まれたんだよね。前月生まれた、よかんやひみつと、大きさが変わらないんです。背が高くすらっとしていて、元気な女の子でした。また、楽しみな仲間が増えたなと、期待を込めて、この子の名前を 「 せかい 」と付けてあげました。また、いい成長記録が書けたらいいな。

P1030836 わたし、生まれてきました。

P1030842もう産室出るの?

P1030858さんぽ、さんぽ

P1030862運動場をダッシュ!

 

2010年6月 3日 (木)

ワールドカップから、宮崎応援、 黄色い腕章ガンバロー宮崎!

首相も辞任し、更に困窮してきている今、明るい話題では、ワールドカップが開催される。サッカーを見ているどころではないかもしれないですが、逆に牛、豚もいなくなった殺処分の農家さんには、いい気分転換になるのではないかなと。

もしそこで、現地でサッカーを応援している日本人が、統一して「黄色い腕章」みたいなものをつけて、宮崎も応援している、という様子がTVに映れば、落ち込んでいる方々にも励みになると思うのです。

黄色は「宮崎の太陽のイメージ」、そして「また畜産に帰ってくる」

ワールドカップから「ガンバロー宮崎!」 を 被災農家さんに伝えられればいかがかなと思ったのです。

現地でなくても、黄色い腕章をつけてて、宮崎応援アピールをしててもいいのですけど。

2010年6月 1日 (火)

支援とは?再開、廃業、転職の問題点。口蹄疫撲滅そして復興へ

国の防疫対策にご協力頂いている農家さま、拡大防止にご協力大変感謝しております。皆さまのおかげで、こちら都城地区でも感染しないでおります。

このまま感染せず、解除の際には、再度牛飼いに励んでもらえるよう、元気な宮崎牛素牛を用意しておきますので、ご安心ください。

国、県の支援、補償が持ち上がりつつある中、自分なりに課題と思われることを記してみました。なんかもっと隙間に課題があるような気がするのですが。

課題
(再開)
1,牛舎の牛入れ解除の日が不明。どの段階から何日とか、何年とか。口頭なのか、書面通知なのか、申請許可方式なのか。
2,餌の確保ができない。飼料畑はあっても、できるのに4~5カ月かかる。サイロなら更に2か月。購入なら更に費用がいる。
3,飼料畑が埋却地で飼料畑が無い、又は減った。又は確保ができない。新たな借地、購入の費用がいる。
4,素牛の導入が困難。宮崎の血統の入った素牛の絶対数が確保できない。購入時は高騰し、頭数確保できない。
5,素牛導入先が遠距離となり、移動、運搬等の余分な費用が必要。
6,埋却地の雑草管理を誰がするのか不明。また、その費用。
7,導入素牛もほとんど種雄牛5頭のため、種付けが限定される。次の世代ももっと限定される。
8,初産の子牛を自家保留した場合の収入が入らない。
9,所得税、住民税、固定資産税の支払いが困難。
10,国民年金の支払いが困難。
11,借金の支払いが困難。

(廃業)
1,廃業時は、支援金が無い。早期退職迫られたのと同じで支援要。
2,機械・牛舎の借金があり支払い困難。
3,牛舎解体の可否がいつなのか不明。
4,牛舎の解体費用が確保できない。
5,不要機械の売却先が見つからない。現金化できない。安価化。
6,サイロ、ロールの買い手が見つからない。
7,飼料畑の担い手が見つからない。
8,従業員の雇用。
9,農業者年金の繰り上げ給付年齢に届かない。

(転職)
1,他の農業に移る場合、必要な施設、機械、田畑の確保に費用がいる。
2,収入が入るまでに期間が開く。
3,転職の支援金が無い。

※追加

(保健衛生)

1,心と体のケアが必要で、心身症として通院、又は入院することは労災扱い。

« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

2022年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

GoogleAdsence

  • GoogleAdsence
無料ブログはココログ