16頭と共同運用
希有な運命となった種雄牛候補牛達、16頭。しばしの高千穂避難ののち、今は高原の宿へ帰っている。現在直接検定中でであろうと思われるが、とんだ検定期間になった。皆と同量のエサを食べて、同じ大きさの部屋で、4カ月間過ごし、その間の増体量を試験し、検定委員会で採否を決定される。ここで種雄牛として採用され、高鍋に行けるのは、年間9頭。その大事な期間を全く違う環境へと送り込まれ、後にデータとして残る増体量には、多少の変化があったことでしょう。
でもそんなことより、もう少し早く検定され採用されていたら、あの49頭の次、50頭目に入っていて、運命を共にしたことでしょう。検定委員会が、たしか4/27に予定されていましたから、きわどい話ですね。
じゃあこの16頭、5頭の次に期待されているのですが、いつ頃日の目を浴びるのかというと、今から4年後頃に、種の供用が開始されると思われる。肉の能力を調べるために、現場後代検定として、この牛の子を産ませるために試験種付けし、10カ月で出産。そこから約2年半肥育後に枝肉として調べ、この種雄牛の産肉能力が評価される。以下に写真を添付しました。「美穂国」の評価が良く、宮日に掲載されたものです。そもそも直接検定で良くなければ、試験交配もないですし、途中病気等出れば終了ですね。
結局4年間は、あの5頭で繋いでいくこととなるのでしょう。その後は順次増えていくことになりますが、あとは人気次第ですか。でも、その5頭も微妙な情勢であることは事実で、今後残っていくのかも疑問。
そこで、宮崎県も基本に立ち返り、また一から作り上げる。ただ同じことを構築するのではなく、更なる発展を目差して、他県さんとの共同運用・共同開発をお願いしてはどうか。
お互いの種を相互利用し、子牛生産を継続する。
種雄牛開発にそれぞれの種、それぞれの母体を利用し、開発の多様性を高める。
お互いの悩みである、母体への種付け範囲を拡大する。
そして何より、今回の口蹄疫等の疾病に対し、種雄牛の分散管理を図ることで、お互いの種雄牛を相互管理し、財産の保護、管理コストの低減を図る。
これらはいま各県で抱える問題だと思う。そして種はそれぞれの県でのみ利用し、他県へは流通しないことで、その県の特異性を担保する。
そうなると大体決まってくる。いつも協力頂いていて、お互いの進むべき方向、課題も同じで、購買者さんもあまり被らない。私は、青森県さんにぜひとも協力頂けたらと思うが、いかがだろうか。他の県さんでも、抱えている課題は同じだと思うが、それぞれの強みを活かす手はないと思う。(青森県の方で、お気を悪くされた方がおられましたら申し訳ありません。これは、私個人の希望です。)
8/20の宮日の新聞。この1週間前に、種付けしましたら、都城では生まれが5本指内、メスならトップでした。
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コメント
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kawabataさんへ
この前は、コメントありがとうございました。
うちも、美穂国の子牛のメス、管内トップ(H22.2月セリ)でした。
青森県との協同種牛造成は、かなり、現実的かもしれません。お互いの欠点が補える。検定用の母牛は、宮崎県が提供、優良種牛のストローは、青森県から提供してもらう。「第1花国」の件もあるし、うまく事が運ぶかもしれません。
投稿: Cowboy | 2010年8月17日 (火) 14時55分
Cowboyさま
コメントありがとうございます。
宮崎県は前回の口蹄疫の被害のときに、種雄牛の分散管理を考えていたでしょうが、実際には難しい。一つの県下で守ることは現実無理だと、今回感じました。
種雄牛造成も共同開発すれば、可能性が広がり、おもしろい種雄牛が誕生すると思います。母体も偏りができてますので、違う血統を入れることもできてきますしね。実現するといいのですが。
投稿: kawabata | 2010年8月17日 (火) 20時35分