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2010年11月25日 (木)

口蹄疫対策検証委員会報告、一畜産農家として

H22/11/24付け、口蹄疫対策検証委員会の最終報告がなされた。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/soumu/101124_2.html

問題点、改善点は多岐に及ぶが、一畜産農家として実施すべき項目を考えてみた。

(問題点と改善点)

[1]平成16年制定 飼養衛生管理基準の10項目が実施されていない。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_haccp/

  1. 畜舎及び器具の清掃又は消毒。
  2. 畜舎に出入りする際の、手指、作業衣等の消毒。
  3. 飼料や水への排せつ物等の混入防止。
  4. 導入家畜の隔離。
  5. 人や車両の出入り制限・消毒。
  6. 野生動物や害虫の侵入防止。
  7. 出荷の際の家の健康確認。
  8. 異常家畜の早期発見・早期受診。
  9. 過密な状態での家畜の飼養回避。
  10. 伝染病に関する知識の習得。

  (・以上10項目について、食品生産者として認識し、遵守する。

   ・管理項目について、「健康管理記録簿」、「作業管理記録」を利用して記入・

    保管する

   http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_haccp/pdf/siryo1.pdf

   また、遵守するに当たり、衛生管理ガイドラインを参考にする。

   http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_haccp/pdf/04_beef.pdf

[2]行政機関からの近隣諸国での発生状況および注意喚起などの通知の

  確認、並びに新聞報道等での自らの情報収集不足。

  (・注意喚起等の情報連絡の内容・重要度・緊急度を勘案し記録するとともに、

    農場関係者に周知する。

   ・地域新聞、農業新聞、ニュース報道、インターネット等からの情報収集を

    活用傍受し、記録する。)

[3]まん延防止に要する埋却地の確保ができていない

  (埋却地を農場の運動場に設定する。但し、近隣住民の承諾や、地下水の

   可能性が否定できないため、保有畑地10aを設定し、そして移動等につ

   いて行政と協議する。)

[4]緊急時の消毒資材、器具の備蓄ができていない。

  (・消毒資材の確保:消石灰5袋、ビルコン又はクレンテ10k)

   ・器具の確保:踏込消毒槽2つ、動力噴霧機、タンク500L共に保有)

[5]規模拡大による、輸入飼料への依存、狭小多頭飼育の密飼い化

  (・粗飼料の2割を輸入飼料としているため、自給に向けて取り組む

   ・最大15頭牛舎に対し、現在12頭で密飼いまでは無く現状維持。頭数

   増頭には牛舎新築で対応)

[6]行政からの発生情報提供の傍受と、近隣畜産農家との相互情報

   共有不足

  (・連絡網を通じた情報の傍受・記録・転送の実施。

   ・自ら疑われる場合は早期通報と同時に近隣および連絡網へ情報提供)

[7]感染ルート特定に帰する、人、飼料などの物品、車両の出入りの

  記録、並びに自ら立ち寄り先の記録の不励行

  (・外部出入り車両の記録簿の作成・記録・保存の実施

   ・立ち寄り先の記録簿の作成・記録・保存の実施)

[8]畜産動物以外の偶蹄類動物の未申告

  (現在未飼養。今後も予定なし。必要な場合は行政畜産課へ申し出ておく)

[9]飼養管理基準の遵守状況の定期報告、および立ち入り検査の

  未実施

  (「健康管理記録簿」、「作業管理記録」を記入保存し、依頼に基づき報告

   、検査を受ける)

[10]獣医師、人工授精師、削蹄師、家畜運搬業者、飼料運搬業者の

   出入り時の消毒不励行

  (消石灰の常時散布、踏込槽の使用を実施する)

[11]異常が疑われる場合のルールに沿った通報の知識・認識不足

  (・異常畜の事例ポスターの掲示、および連絡先の確認・明示、症状の

   連絡。

   ・地域で行われる疾病予防研修会等への積極参加による最新の知識

   の習得に努める)

以上が、一畜産農家として今後必要な口蹄疫等疾病予防対策と思われます。

検証委員会の提示された内容で、これでも必要最小限だと思っています。

常に危機感をもって取り組めばできる内容だと思います。・・・た、たぶん!?

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コメント

個人的な意見ですが

今回の災害は畜産農家、皆が引き起こしたものだと考えています

僕も消毒の徹底はしていたのですが、消毒槽の設置をしていた農家はどれくらいあったでしょうか?

てげてげな県民性がいやな形で体現されてしまったと言わざる負えません

しかし、相手は見えざる敵(-_-;)

どこまでやれば済むのか解りませんね、実際(-_-;)

しん さん
私は、平成16年制定の飼養衛生管理基準の10項目の存在自体、知りませんでした、恥ずかしい話。防疫方法について知らないことが最も罪であるのに、そのことを今まで放置してきていることには、やはり問題があると思います。
今回報告書が出され、言いたいことは山ほどありますが、これを機に自分の身の周りを見直したいと思っています。発生させた県である以上、やらなければならないことは、どこまででもやる必要があるのでしょうね

ここだけの話(-_-;)

生産検査や授精等で、技術員や、授精師さんが自宅を訪問した際に、

『お前の家は良く消毒してあるね』といわれていました

消毒槽もおいてない、消石灰もまいてない農家が多いというのです(口蹄疫発生の前ですが(-_-;))

こういうところに問題があると思うのです

しかしながら50代で若手と言われるこの業界(-_-;)

高齢な就農者のモチベーションをどこまであげられるか?

非常にシビアな問題です(-_-;)

しん さん
>こういうところに問題があると思うのです

いやいや、口蹄疫前ならどこも似たり寄ったりでしょう。あの惨事を目の当たりにして初めて意識が変わるのでしょうから。それに、そういった現実を見過ごしてきたことこそが問題なんだと思いますよ。
これからJAの技術員、役場の担当者を先頭にモチベーションを上げていかないといけないんでしょう。というか、今はもう上がっていないとおかしいんですけどね。

管理人さんしんさんの言われる通りです。しかし実際徹底されている項目は3つ4つくらいです。私がペンキで書いた進入禁止の看板も設置しないし、(大丈夫かな~。これからが大事なのに。)っておもいます。私の場合手伝い程度の仕事量なので、義父に発言する勇気がないのです。
やる気さえあれば難しいことではないと思います。さてどうゆう風にモチベーションを上げてあげましょう?

はま さん
現在の人の医療は予防医療にシフトしてきています。対処療法では医療費も高額となり、そして人体へのダメージも大きいです。健康診断やメタボ検診、予防接種などを強く勧めていますね。そう考えると、口蹄疫も予防で食い止める。少々金額がかかっても全頭処分なんかよりはずっとましですからね。結局、やれることを確実にやっていく、というのが最も長続きするんだと思います。何処ぞで発生した、という情報が入ると、レベルが上がるんだと思いますが・・・。

こんにちわ。
全国区人気のワクチン接種農家さんの
ブログは大好きなのですが
友人たち見学者が無防備に牛と触れ合って
いる写真に軽くジレンマを感じています。
kawabataさんのご意見を伺えれば幸いです。
うちも見学は一切受け入れておりません。

けい さん
おっしゃっているジレンマはよーく分かります。ついこの間まで、ウイルスだ、消毒だ、と言っていたのにね、ということだと思います。何処かのブログの管理人さんも言っておられました。みなさん大変防疫意識が高い方だからだと思います。
私はあれを見て、あまり気にはなりません。きっと、消毒をした上で牛と触れ合っていると思っているからです。ついこの間、地獄を味わった方達です。そしてそのブログを読んで共感し来ている方たちです。消毒の様子はブログには載らないでしょうが、きっと徹底していると思います。遥かに私より。
(もともと私は他の方の考え方、行動に対し、干渉しませんし、評価もしません。そのままを受け入れ、その上でこちらの考え方をするようにしています。自分の価値観を押し付けることで、失うものも出てきますから。)
今回、最終報告がなされたことで、畜産に課せられた課題は大きいと思います。個人レベルでも記事の通り多岐に渡ります。でも対策を続けていくと、コストや効率性につきあたります。できれば行政から段階的防疫レベルを示してほしいと思っています。県内・隣県発生時、国内発生時、近隣諸国発生時といったレベルで実施して行くのです。常に100%では息切れすると思うのですが。でも行政は責任論を言うので全てやりなさいと言うのでしょうけどね。

kawabataさん。ありがとうございます。
私もたぶん消毒をしておられると信じています。

防疫のレベルの話もそうですが
行政の人に質問するとコストを度外視した
安全管理の負荷試験などを提案されるので
微妙な気持ちになることは否めません。
おっしゃるように100%を求めると続きませんからね。
段階を決めての防疫や安全管理がプロには
必要だと私も思います。

けい さん
本当の意味のお客さまを相手にされているけいさんには、安全管理は絶対条件ですね。ブログを拝見させて頂いてると、やはり神経を使う妥協の無い仕事だ思います。
でも、行政さんは視野が狭いので、自分の知る範囲、口の出せる範囲の事しかアクションしません。
今回の最終報告書でも、それが際立つ所が、

7、早期の殺処分・埋却などの在り方 の中で

(4)埋却地の確保や了解の取付けに時間がかかりすぎた。
と1行書いてあるだけで、こうあるべき論がここだけは全く書いてありません。困った臨時行政機関ですね。

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