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2011年7月20日 (水)

こあ 死亡。

すずえの子 こあ が、7/14に死亡した。15日間の命だった。

あまりにも急な出来事だった。7/9頃から白色軟便を確認していたが、元気よく走りまわっていたし、お乳も飲んでいた。変わってきたのは7/11、下痢状になっているのを確認。いつも通りの元気だった。そして7/12運動場に出る時、足がふらつく様子が見られたが、大丈夫だろうと出してあげた。その日は仕事が忙しく獣医に診せる余裕が全くなかった。そしてその夕方運動場から帰ってきて、すずえの足元に寝転ぶと動かなくなった。夜、動きが良くないのですずえと引き離し、ポカリを1L給与。その間、下痢は続いていた。

翌朝13日、ぐったりしており下痢が見られた。ポカリを2L緊急給与し、獣医に診てもらう。「重傷や」との回答で点滴。夕方にも点滴してもらい、その間にもポカリとカロリーメイトを給与するが、改善は見られなかった。最初のうちは頭も上げていたが、夜には上がらなくなった。

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元気が無く、目がうつろ。大丈夫か?

次の日の14日、呼吸が弱くぐったりと横になったまま。声をかけて体をさすってやると、やや血圧が上がったのか呼吸が強くなった。ポカリ2Lとカロリーメイトを何の抵抗もなくスーッと飲んだ。獣医が着くなり、母牛すずえの保体を言われた。すずえの血液を採取し、こあに投与、そして点滴も。

そんな中、やや白色下痢気味だった あくあ が足をふらつかせながら歩いているのを、獣医と確認、二人とも「これもおかしい」と同意。あくあも緊急点滴を開始。

やや元気のある あくあを抑えながら、点滴中のこあを見て、「あれ、呼吸してるか?」と獣医が聞く。「分かりにくいですね」。聴診器で こあを診る獣医が「いつ止まってもおかしくない」と。

そして、しばらくして「ダメだ」の一言を告げ、そして点滴を外した。気が抜けていく こあ がいた。

・・・

・・・

すずえが、こあを引き離されてからずっとウロウロして鳴き通しで、お乳も垂れ流していた。何も知らない様子なので、動かなくなったこあを、近くに寄せてあげた。やっと帰ってきたとばかりに、舐めてあげていた。においをかいでいた。小突いていた。

30分くらいしたら、何かに気付いたのか急に静かになって、傍らに腰を下ろした。そして頬ずりするようにしていた。見ていられないので、その場を去って1時間程してみると、すずえが同じ状態で、静かにじっとこっちを見ていた。分かったのかな?

こあを引き離すのに苦はなかった。すずえもすんなり放してくれた。処理の車がすぐに来るということだったので、牛舎から引きずり出した。そして、車に積まれて連れて行かれた。こんな形で我が家から送り出すことになるとは思いもしなかった。

たった15日間なのに相当な重さだった。期待も大きく、将来が楽しみだった。命の重さ、仕事の重さを再認識した。

決して事故ではない、過失だと思った。

これ以降、こあとすずえの様子を動画にしています。見たくない方はご遠慮下さい。ただ、すずえの様子は母親そのものです。牛でも感情というものがあると実感します。

今回の記事は、負の遺産として書きとめました。これを書いておかないと、前には進めないと思った。いいことばかりが牛飼いの仕事であるわけではなく、そうでないこともあると。

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コメント

つらいです。
動画も、静止画も。kawabataさんの鼻水をすする音も。

とにかく、今は、「あくあ」を何とか救ってやってください。前に進みましょう。


ご参考までに。
うちでも、最近、下痢でふらふらの子牛が2頭いました。
1頭は、生まれて(6月28日生まれ)4~5日くらいして、黄色から、その日のうちに、白い便(フルーチェ状)に。熱は39℃(平熱)、熱中症とは考えにくい。
夕方でしたが、獣医に来てもらい、かなり時間を掛けて(3時間くらい)点滴。その後は、ビオスリー、ビオペア、ビオエンチなどを投与。今は、何とか元気でやってます。
もう1頭は、生まれて、1ヶ月くらい。全体に薄く血の混じった血便でした。熱は、38℃(低い!)。
すぐに、バイコックスを投与し、獣医に来てもらいました。脱水症状があるとのことで、食塩水を点滴(これでよいのだそうです)。すると、見る見るうちに元気に。結局、3日間リンゲル液点滴。ベリノールやストマイなどを投与後、ビオスリー、ビオエンチを投与。何とか、今は元気になりました。

どうも、原因というか、きっかけは、カビ(カビ毒)のようです。子牛が直接、食したかは不明ですが、母牛の飼料(粗飼料)がカビていた可能性があるようです。
カビ毒は、お乳に混入するらしいです。生後、1週間もしないで白痢になるのは、これが多いと聞きます。
それと今は、熱中症も多いかもしれません。

つらいですが、それも牛飼いの現実ですね…
ウチも今春以降2頭の子牛を冷たい体で送り出してしまいました。
なんとか前に進みましょう、こあの死を無駄にしないように。


私の短い牛飼い人生、
いまだに子牛の死は経験がありません。
(母牛はありますが)

動画を撮ったkawabataさんに
頭が下がります。
特に2番目の動画。

こあちゃんのご冥福を、
心の底からお祈りいたします。

牛が死んでしまうたびに、、いつも思うのです。
なんか、どうにかしたら生き返るのではないかと。
止まってしまったけれど、再び動きだす方法があるのではないかと。

亡骸をまえに、いつも考え込んでいます。

Cowboy さん
気温差が激しく、湿度が高い時期がありました。あの辺りからおかしいですね。確かに、きっかけはカビでしょう。病状としては病原性大腸菌などの感染による毒素にやられているようです。カビは母牛のお乳から、または子牛の飼槽のカビから等多岐にわたるのでしょうから、特定しても所詮は免疫力が無ければ持たないのでしょう。そして弱ったところに細菌感染のようです。この特徴は、毒素が脳を犯すのか、足が歩くのについていけず、後ろ足がもつれる感じです。
教訓として、カビ毒吸着剤を採用しようでしょうか。

しげしげ さん
アドバイスありがとうございました。
そういうしげしげさんも、つらい思いを最近されていたのですね。何とかこれを克服して、二度と出さないようにしたいですね。

みぃ♂ さん
私もこんな経験するとは思ってもみませんでした。というか、絶対しない、と誓っていたのでした。以前、あるま という子牛がいて、コクシで生死をさまよった経験があり、もう絶対にあのようなめには合わせないよう取り組んできたつもりでした。その子は何とか立ち直り、最後はセリ市で元気に送り出してあげました。
せっかく無事に生まれ出てきたのに、管理不足でこのような結果になるとは、無念です。

永田 さん
そのお気持ちはよーく分かります。心臓マッサージをしたり、足を動かしてみたり、でも反応しないですね。そして、何もできない、できなかった、してこなかった自分に残念です。

かなり感傷的に書かれているが、
助けられるタイミングを完全に見逃している、というのが正直な感想。
観察してるのに行動が後手すぎる。何やってるの?獣医からしたら「気づいていたなら何でもっとも早めに診せないの?」という典型的な症例。
早く治療すれば早く治る、治療費も安くすむ、獣医も農家も手間が減る。
改善すべきは、早期発見、早期治療を徹底することです。自然に治るのを過信するのはオススメしない。不衛生な環境に飼われている子牛はいわば発展途上国の子供たち。下痢を放っておけば死ぬのは容易に想像できます。

獣医 さん

コメントありがとうございます。

>助けられるタイミングを完全に見逃している、

と受け止めて頂いたのなら、大変うれしいです。
早期発見、早期治療の初歩的な問題なのですが、結局 「忙しさ」 を理由に後回しにした付けがこのような結果になったと私も思っています。
あの時こうしていれば、とか、このくらいは大丈夫だろう、といったことが命を預かる牛飼いには致命傷になることがよく分かった事例だと思います。
他の牛飼いの方に、悪い事例として見て頂いたらいいと思い、時系列とともに細かく書いていますし、感傷的にも書いています。
もしよければ、往診の際に似たような牛飼いさんがおられましたら、この事例を紹介して頂いて、子牛の健康管理に利用して頂けたらと思います。

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