昨日11/30、初めての受精卵を移植しました。
移植した受精卵は、たかもり号の受精卵で、一昨年(?もっと前かな?)採卵したものです。福桜王、茂勝王とを生産したたかもりは、更なる種雄牛造成のため畜産試験場へ出張し、受精卵を採卵。生産現場で移植し、産まれたオス子牛のうちの一頭を種雄牛に育てるという事業で、「きょうだい検定」というらしい。これは全国の種雄牛造成現場で、よく行われている方法で、効率的に造成できるというもの。
20個採卵し、18個を協力できる育種組合員さんに移植してもらった。私も母牛の生産者として2個権利があり、移植可能だったが、移植条件が合わず、現在まで保留していた。きっと、どなたかの生産者さんの所で出てくることだろうと考えていたのですが、状況は違った。無事受胎し産まれてきたのは2頭。いずれもメス!。育種組合長のK留さんと、永田さんのところらしい。結局、オスどころか受胎の難しさのようで、受精卵を残している私の所へ催促がきたのだった。
聞くところによると、結局2シーズン目に入り、畜産試験場に1個、再度K留さんの所で1個、移植している模様。やはり結果を出さないといけないので、私も追随することとして再度我が家の母牛を見廻した結果、いました元気なのが。巴を9月に産んだ、かつこ号です。授乳中ではありますが、次の受精待ち。巴で4産目と若く、大柄で、泌乳も良く、子育ても良い。血統は福桜×上福×安平で、過去に、こよみ-美穂国で郡品1等で自家保留、せかい-美穂国郡品1等で自家保留と好成績を出した母牛。・・・って普通に人工授精し、生産した方がいいのでは???と思われるのですが、種雄牛造成にはリスクが伴うのです。経営上の不利益よりも将来の公益に貢献が必要なのです。・・・と自分に言い聞かして今回選定しました。まあ、生産者としての責任ですからね。
発情を確認したので授精師さんへ診てもらう。良好な発情なため1週間後に移植を予定し、その前日に最後の確認、そして移植。スソ部を洗浄、消毒し、移植用のさや管を挿入、そして子宮へ入れてもらいました。ここからは、神さま、仏様、かつこさま、母体が異物として排出しないように祈るのみです。受胎率は、良く見積もって50%と聞く。この今の気候が母体へ最も良い時期となるのを待っていたのもあり、これも実は受胎率を少しでも上げる考えから選んだもの。少しでも良い条件を作って、無事受胎させ、出産まで持ち込みたい。またまた始まった種雄牛への道です。
受精卵は既にたかもりの子宮で受精したもの。父は安秀165。たかもりは安福165の9×紋次郎×糸光◆。この、たじまたじました受精卵は、既に種雄牛の可能性を秘めた、れっきとしたDNAを持っているのです。これが下の写真のストローの中にいて、出番を待っている。これって、超小さな、ストローの中に入った、「ミニ種雄牛」、と言ってもいいのかも。
ストローに番号が書いてあって、たかもりの番号と「19」の数字が。受胎するのかどうか、産まれてくるのかどうか、オスかメスか、分からないので一応名前を「ジューク」としておこうかな。
受精卵1個しか入っていないので、メチャ細い。この中に潜んでたミニ種雄牛「ジューク」。
洗浄してきれいにします。
消毒も丁寧に。
さや管、でもいつもの人工授精用とは全然違う。知らないのは私だけ?

子宮へ先を挿入して、受精卵を注入。ハイ出来上がり。2週間後がドキドキ。
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