ミニ種雄牛? きょうだい検定の受精卵を移植
移植した受精卵は、たかもり号の受精卵で、一昨年(?もっと前かな?)採卵したものです。福桜王、茂勝王とを生産したたかもりは、更なる種雄牛造成のため畜産試験場へ出張し、受精卵を採卵。生産現場で移植し、産まれたオス子牛のうちの一頭を種雄牛に育てるという事業で、「きょうだい検定」というらしい。これは全国の種雄牛造成現場で、よく行われている方法で、効率的に造成できるというもの。
20個採卵し、18個を協力できる育種組合員さんに移植してもらった。私も母牛の生産者として2個権利があり、移植可能だったが、移植条件が合わず、現在まで保留していた。きっと、どなたかの生産者さんの所で出てくることだろうと考えていたのですが、状況は違った。無事受胎し産まれてきたのは2頭。いずれもメス!。育種組合長のK留さんと、永田さんのところらしい。結局、オスどころか受胎の難しさのようで、受精卵を残している私の所へ催促がきたのだった。
聞くところによると、結局2シーズン目に入り、畜産試験場に1個、再度K留さんの所で1個、移植している模様。やはり結果を出さないといけないので、私も追随することとして再度我が家の母牛を見廻した結果、いました元気なのが。巴を9月に産んだ、かつこ号です。授乳中ではありますが、次の受精待ち。巴で4産目と若く、大柄で、泌乳も良く、子育ても良い。血統は福桜×上福×安平で、過去に、こよみ-美穂国で郡品1等で自家保留、せかい-美穂国郡品1等で自家保留と好成績を出した母牛。・・・って普通に人工授精し、生産した方がいいのでは???と思われるのですが、種雄牛造成にはリスクが伴うのです。経営上の不利益よりも将来の公益に貢献が必要なのです。・・・と自分に言い聞かして今回選定しました。まあ、生産者としての責任ですからね。
発情を確認したので授精師さんへ診てもらう。良好な発情なため1週間後に移植を予定し、その前日に最後の確認、そして移植。スソ部を洗浄、消毒し、移植用のさや管を挿入、そして子宮へ入れてもらいました。ここからは、神さま、仏様、かつこさま、母体が異物として排出しないように祈るのみです。受胎率は、良く見積もって50%と聞く。この今の気候が母体へ最も良い時期となるのを待っていたのもあり、これも実は受胎率を少しでも上げる考えから選んだもの。少しでも良い条件を作って、無事受胎させ、出産まで持ち込みたい。またまた始まった種雄牛への道です。
受精卵は既にたかもりの子宮で受精したもの。父は安秀165。たかもりは安福165の9×紋次郎×糸光◆。この、たじまたじました受精卵は、既に種雄牛の可能性を秘めた、れっきとしたDNAを持っているのです。これが下の写真のストローの中にいて、出番を待っている。これって、超小さな、ストローの中に入った、「ミニ種雄牛」、と言ってもいいのかも。
ストローに番号が書いてあって、たかもりの番号と「19」の数字が。受胎するのかどうか、産まれてくるのかどうか、オスかメスか、分からないので一応名前を「ジューク」としておこうかな。
受精卵1個しか入っていないので、メチャ細い。この中に潜んでたミニ種雄牛「ジューク」。
洗浄してきれいにします。
消毒も丁寧に。
さや管、でもいつもの人工授精用とは全然違う。知らないのは私だけ?
子宮へ先を挿入して、受精卵を注入。ハイ出来上がり。2週間後がドキドキ。
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コメント
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この前はどうも・・・
例の受精卵ですね!
受胎するといいですね(o^-^o)
採卵日が違っていたら、オスの可能性も高いはずです。
やはり、採卵日が同じだと(ロットが同じ)性別が偏る
確立が高くなるようです。
投稿: はまちゃん | 2011年12月 2日 (金) 00時00分
授精卵は初めてだったのですね。ウチも年間4、5頭は移植しますが、なかなか持ちませんね〜(。´Д⊂)
受胎率は、感覚的には凍結だと3割てとこじゃないでしょうか?しかし、生の状態であれば、Cランクでも4割以上着床してる気がしますね。
ミニ種雄牛、面白いネーミングですね(笑)
投稿: しげしげ | 2011年12月 2日 (金) 06時19分
繁殖の現場のことは全然知らないので興味深いですわ。
色々やってるんですね~。
「たじまたじました受精卵」から、立派な子牛が産まれてくることを祈ってます
投稿: やまさきセンム | 2011年12月 2日 (金) 13時26分
ついに付けましたか。
ウチも♂目指して、再び挑戦しましょうかね。。
種雄牛候補買い上げ100万円はすごく魅力がありますから^_^;
メスが産まれたら、しげしげさんに買い取ってもらいます。
…てか、ウチはもう育種組合員ではないので無理ですね。
投稿: 永田 | 2011年12月 2日 (金) 18時14分
はまちゃん さん
松本先生の講演会ではびっくりしましたよ。まさか生はまちゃんさんにお会いするとは思ってもみませんでした。よく私に気づかれましたね。私の行動はバレている?
採卵日ですか、分からないんですよ今のところ。授精師さんが受精卵注入証明書を記入して持ってくるということなので、そこで分かるのかも。
メスならメスでもいいんでしょう。たかもりがあちこちに分散して、宮崎の為に貢献してくれることでしょう。
投稿: kawabata | 2011年12月 2日 (金) 19時45分
しげしげ さん
受胎率3割は、かなりショックですね。十分前段取りしてからの、その成績でしょうから、やはり無理があるのか。移植後の管理はどのようにされているでしょうか。投薬、栄養剤、添加剤などなど。
投稿: kawabata | 2011年12月 2日 (金) 20時13分
やまさきセンム さん
今回はさすがに面白いと思いました。あのストローの中に命が一つ入っているのです。それも大きくなると、「あのように」バカでかくなって、種牛として君臨するんですよ。ハクション大魔王みたい。何て言って出てくるかは分かりませんけど。
投稿: kawabata | 2011年12月 2日 (金) 20時31分
永田 さん
実際に産ませてみていかがでしょうか。気になるのは、借り腹となる母牛との関係で、出産までの過程で母牛の影響を受けるものなのでしょうか。影響するとなると、やはり若くて、大柄で、という条件になってきますからね。特に性格などは似てくるように思うのは気のせいかな。
育種組合員の範囲は外せないようですね。事例を作ると困るでしょうからね。でも、永田さんならレジェンドに到達していますので、限定解除じゃないですか。きっとアンテナ3本間違いなしです。
投稿: kawabata | 2011年12月 2日 (金) 20時43分
>kawabataさん
授精卵は、凍結すると多少なりともダメージ受けるので、生の方が受胎率はいいです。
しかし、移植した後は神のみぞ知るところですよ。要は黄体の状態次第ですから、分娩前後の管理が極めて重要だと思います。
具体的には、ボディーコンディションの適正化、ビタミン給与なんてのが基本中の基本ですよね。あと繁殖に効果ありそうなのは、オリゴ糖関係、脂肪酸カルシウム、ファフィア酵母、ミネラル剤(ちょっと高いやつ)等々。まぁ〜色々ありますよ〜
>永田さん
出世払いでお願いしますm(__)m
いや、しかし冗談抜きで基礎牛から外れたのですか?競争激しいんですね…
でもすぐ返り咲きますよね〜
投稿: しげしげ | 2011年12月 2日 (金) 22時47分
挑戦してみたいですよね。人間の男女産み分けでよく言われている水素イオン濃度でも調整してみましょうか(笑)
>レジェンドに到達していますので
そんな事はないですが、、いや~僕はいろいろと嫌われていますからね。僕には特例は適用されないでしょう(^^ゞ
>出産までの過程で母牛の影響を受けるものなのでしょうか。
当然受けると思っています。母体の若さとか大きさは、出産時トラブルや乳量に配慮したことが大きいと思いますが、
親は、子供がお腹にいる時点から生き抜くコツを教えていくと思いますよ。サシとか肉質に影響する部分の変化は分かりませんが、その農場の癖といいますか、環境へ対応していく能力は日々蓄積され、遺伝子に組み込まれていくのでしょう。
加齢によるDNAの傷みたいのを省いて考えますと、ある程度産次数が進んだ母体の方が、色んな経験してますのである意味遺伝子も賢いかもしれません。加齢による乳量不足はミルクを与えると。
しげしげさん
はい、我が家の基礎牛が加齢により組合外れました。
バトルが激しくなったのは、ここ2、3年格付けが緩くなりサシ2桁が目立つようになりましたから選択する母体の幅が広がりましたね。
指定牛を選択するのは、枝肉を見てではなく数字ですからね。ちなみにモモ抜けも考慮されていません(-_-;)
牛肉自由化のすぐ数年は格付けが甘かったですが、その後厳しかったです。その頃はサシ11、12番はまさに芸術品でしたよ。ロースが12番でも周囲が甘ければ特選にはなりませんでしたから。
安秀♀の場合の買取は、分割でOKですyo
投稿: 永田 | 2011年12月 3日 (土) 10時50分
しげしげ さん
そりゃあ、凍ってますからね。ダメージ大ありでしょう。種牛が凍っている姿をイメージしてしまいました。マンモスのように。
>まぁ〜色々ありますよ〜
薬問屋みたいに出てきますね。ダメだ、そんなに出されても効果が分からない。やはりビタミン剤と言ったところでしょうね。あとはストレスフリーかな。空腹ストレスだけは避けたいですね。
投稿: kawabata | 2011年12月 3日 (土) 20時26分
永田 さん
男女産み分けは、今後必要になってくると思うのですが。特にこの育種改良の現場では必要な技術ですが、まだ無理なのですかね。もっと違う角度での研究が必要なのでしょう。永田さん、頑張ってください。完成しましたら一緒に特許に出しましょう。連名1でお願いします。
やはり母牛の影響はありそうですね。腹の中ではマンツーマンで教えられてるのですから、下手な宗教よりも洗脳されやすいのでしょう。そういえば、産まれた直後から逃げ回るのがいますが、あれも過去の記憶がDNAに蓄積されているのですかね。
投稿: kawabata | 2011年12月 3日 (土) 20時45分
kawabataさん
添加剤ではないですが、調味料系もなかなか使えますよ。
さ(砂糖)、し(塩)、す(酢)、せ(醤油)、そ(味噌)ってやつです。特に砂糖、酢、味噌それに油と重曹があれば、夏場の暑熱対策や冬場の栄養の補助、産後の肥立ち対策、ビタミンの吸収率アップなど色々と役に立ちます。牛の状態を的確に把握して、最大限の効果を発揮できる組み合わせが出来れば薬はそれほど必要ないかもしれませんね(笑)
投稿: しげしげ | 2011年12月 3日 (土) 22時16分
男女産み分けは、発想変えればできると思いますよ。
ま、確率の問題はありますが。。(外せば訴えられんのか。みたいな恐怖も)
でも、その辺のことは僕は否定的(右寄り)ですから解らないままの方が実は良いと思っています(^.^)
う~ん、、特許をとっての印税生活?みたいなのいいですね。
僕は、日向ぼっこして自分が食べる分野菜作って、、みたいな生活を本心は理想にしてますから(笑)
>産まれた直後から逃げ回るのがいますが、あれも過去の記憶がDNAに蓄積されているのですかね。
そうだと思いますよ。
なんか、宗教的といいますか(笑)非現実的な言い方ですが、、自分が見えている現実といいますか現状は自分が思い込んでる(教育を受けてきた)事実とは異なりますよね^_^;
実験し実証すればするほど。。。。。。。
投稿: 永田 | 2011年12月 4日 (日) 13時24分
しげしげ さん
それって、メニュー表作ったほうがいいのではないでしょうか。やはり、身近にあるもので処置できればコストは抑えられますからね。期待しています。
投稿: kawabata | 2011年12月 4日 (日) 21時17分
永田 さん
こっそりと、男女産み分けは個別研究というところですね。ひょっとしたら、しげしげさんの調味料でできたりして。
>なんか、宗教的といいますか(笑)
自分の思った通りにはいかないということですね。それこそが自然の摂理であって、遺伝の揺らぎなのかもしれないです。繁殖って、やっぱおもしろい仕事ですね。それに対応してこそ、繁殖農家なのかも。
投稿: kawabata | 2011年12月 4日 (日) 21時55分
kawabata
「宮崎牛のフルコース」という本(著者:黒木法晴氏)に雌雄の産み分けについて少しだけ書かれています。永田さんならご存知かもしれませんね。
黒木先生には農大時代に牛の見方など御教授いただきましたが、雌雄の産み分けや、ノコクズの飼料への利用など、先進的な考えをお持ちのかたでしたね。
実は、雌雄の産み分けについてはウチでも試験したのですが、あまり上手くいきませんでしたね…
投稿: しげしげ | 2011年12月 5日 (月) 08時20分
失礼、kawabata゙さん゙が抜けてましたm(__)m
投稿: しげしげ | 2011年12月 5日 (月) 20時14分
「宮崎牛のフルコース」ウチにありますわ!
なぜか、集合写真にウチの相方が写っております。
本の内容は、、、、わかんね ┐(´-`)┌
お邪魔しました~
投稿: やまさきセンム | 2011年12月 5日 (月) 21時44分
そうそう、産み分けと聞いて、気になっていた事がひとつ。
先月の都城のセリ市、メスの上場頭数が多いように思いました。また、最近、あちこちで聞く話に、メスばっかり産まれる、と聞くことがよくあるように思っています。昨年は口蹄疫でかなりの頭数の母牛が殺処分され、地域限定的には子孫繁栄の危機を迎えたわけですが、その穴埋めの必要性を感じとって、メスの多産を迎えたのではないかな~と。勝手に考えていました。根拠はありませんです、ハイ。
(オスも同様に殺処分されましたけど。)
しげしげ さん
実際にやってみたけど、うまくいかなかったって、そんなに簡単に挑戦できるものなのでしょうか。でも、本に載せる位ですから、信ぴょう性はあるのでしょうね。
メスオスの産み分けが必要なのは、メス狙いですかね。
投稿: kawabata | 2011年12月 5日 (月) 21時48分
しげしげさんが言われている、産み分けの論文?全部もってますよ。しかし、、我が家の資料の山に埋もれて何処にあるやら。探し出すのに1年くらいはかかりそうです。
投稿: 永田 | 2011年12月 6日 (火) 15時04分
永田さん
ウチも過去の枝共のデータとかでごちゃごちゃしてきました。
雌雄産み分けのデータも持っておられるのですね。まぁ、大成功とまで言えない内容でしょうね…
kawabataさん
一応特殊な方法で実用化されてはいるのですけど、ちょっとコストかかりすぎですね。それに、自分の感覚では受胎率が少し落ちるような気がするのです。あくまで私個人の感覚、てか感想ではあるのですけど。
ホルスタインなら、雌と雄ではその価値に雲泥の差がありますが、和牛の場合は価格的には極端な差があるわけでもないので、雌雄産み分けにコストをかけるよりは受胎率の向上に努めたほうが経営上有利かと思います。
またお会いしたときにお話しましょう(^ω^)
やまさきセンムさん
もしかして、黒牛会の写真の県職員T氏(かな?)の隣の好青年がシャチョーさんですか?
投稿: しげしげ | 2011年12月 6日 (火) 23時09分
しげしげ さん
コストがかかるのは頂けないですね。でも、その内容と、しげしげさんの実験結果を教えてくださいね。そしてもっと簡単な方法開発して下さい。しげしげさんの得意な調味料系レシピで。ニーズはありますよ。
受胎率向上に関してはそんなに困ってはいないのですが、今現在1頭が卵胞嚢腫で嫌がっています。もし良かったらノウハウを掲示板でお願いします。(掲示板がさびしそうにしていますので)
投稿: kawabata | 2011年12月 7日 (水) 22時14分
I am ttoally wowed and prepared to take the next step now.
投稿: Makailee | 2011年12月13日 (火) 11時40分
Your's is the intelligent apporcah to this issue.
投稿: Judy | 2011年12月13日 (火) 19時59分