« 謹賀新年 2017 | トップページ | 都城子牛セリ市のライブ配信が始まりました。 »

2017年1月 4日 (水)

BLV(牛白血病)の清浄化対策。

この対策について、個人的な意見としてまとめてみた。

「この問題は大きすぎて、国が方向性を示してもらわないと・・・」
「廃用するのに、補助金も無いのじゃ次の牛が買えんわ・・・」

と言ったことが、ほぼ確実に聞こえてきます。
もう既に、思考停止状態です。
お金が無いと動けない。補助金政策にどっぷりつかっている証拠です。

国は、今回ガイドラインを示した以上、これ以上の関与はしてこないものと思い
後は農家が主体となって、地道に更新していってくれ、といった感じだと思います。
結局、牛はその農家の資産であるので、それに何か不具合があろうとも、その責任は農家側の所要者責任になる。
それを更新するのなら、それは農家の資産価値を上げることなので、当然そんなことに税金は使えない。
それに、国が主導で一斉に更新してこのウイルスを撲滅しないと、畜産業界が崩壊する、といった緊急性も無いですね。

但し、産地としての価値を上げるために一斉に淘汰する、という考え方もありますが、そこにも国税としては使いにくいので、個々でお金を出し合って基金を積んで手当てしているのが現状のようです。
個々の経済損失はあっても、それを地道にケアしていく方が賢明だと思われます。


ということで、以下の点について対策すべきだと思います。

1、情報の公開

2、感染牛の流通

3、清浄化農場の認定証

4、教育、勉強会

5、オプション



[1、情報の公開]

 いろいろ調べてみて、かなりの数の農場の牛が感染していることが分かりますね。それが年々広がっているというから問題になっているんですよね。
全体の3割もの牛が感染しているということは、もう既に常在感染ということ。
セリ場で見てみると、風邪をひいて熱を出してる牛よりも多いということになります。
だったら、検査して感染しているのならそれを告知して流通しても問題ないはずです。

「そんなのしたら、風評被害で農場の牛全部が感染扱いにされるやん」

と聞こえそうです。
でも、今まで情報を隠ぺいしてたので、発症した時に農場全体が感染扱いにされてたんです。
情報を正しく公開すれば、牛単位の感染扱いになるので、逆に正常牛が認知されることになります。

今まで、腫物を触るかのように、この情報を扱ってたので、かえって警戒心を生んでいるのだと思います。

ちゃんと検査を受け、感染牛の情報を公開し、清浄化を図る農家に、メリットがいく、体制にしないといけないと思う。


[2、感染牛の流通]

 これが最も頭を悩ますことです。
重要なのは、感染牛を通常の流通に流し、自然な更新で淘汰していくことです。

BLフリーな産地化を目指すと、そこには清浄化の名のもと、無理な淘汰・更新が必要になってきます。そうなると当然のように補償という名のお金が必要になってきて、基金を積まなければならなくなります。
肉牛ジャーナルで紹介されている、宮崎県西臼杵地区の例でも、「補償金の設定に相当な苦労があった」としている。更には、「万を超える母牛のいる産地では、極めて困難だろう」と、その苦労を書かれています。

じゃぁ、どうするか。

感染していることを告知して、普通にセリに上場する。
落札時のセリ値の1割を、生産者から購買者へ返金する。
補助金、補償金は使わない。

これだけです。
感染牛なので、当然繁殖には向かないので、肥育向けです。
じゃぁ、「肥育中に発症したら損失が出るやん」、となります。その時は当然損失が出ます。
ですが、発症の確率は前記事にも書いたように5%以下。100頭中5頭以下なので、それ以外の感染牛は肥育後、通常の値段で出荷ができます。それも、1割引で購入した牛ですので、発症した牛の損失分は、かなりの部分カバーできることになります。

生産者側ですが、1割も少なくなれば不満も出ましょう。でも、この牛を出すことによって、農場自体の評価が上がります。それに、他の牛に感染する確率が確実に下がりますので手間も減ることになります。
そもそも、清浄化の道筋の中で、通常通りセリに出せるということは、牛の状態や年齢、血統によっては、ある程度の値段になるのでは、と思っています。

ということをベースに考えると。

子牛の場合は、通常通りセリに上場し、落札金額の1割を生産者から購買者へ返金します。相場にもよりますが、1割引きでの素牛購入にはニーズがあるのではないかなと思います。

次に経産牛ですが、年齢とともに発症のリスクは高くなってきます。
なので、返金の割合を年齢ごとに上げていくのがいいのではと思っています。
例えば、3才が1.2割、4才が1.4割と。リスクと金額とのバランスが必要かなと思います。
但し、いつ感染したかは分からないので問えません。

しかし、通常通りセリに出しても、購買者が無くセリが成立しないかもしれません。
その場合、最低落札価格を設定して、成立しない場合、またはこの金額に届かない場合は、JAにてこの金額で買い取るようにします。
最低落札価格をいくらにするかは検討の余地がありますが、告知してセリに出せば買い取ってもらえる、という生産者側の安心感が出ます。
このことが、清浄化を後押しする大きな機運になることと思います。

補助金や補償金がチラつくと、それをあてに牛が動きますが、お金が無くなると動かなくなり、清浄化した農場もまた戻ることになるでしょう。
基金を農家から募っても、農場毎にメリット・デメリットがあるので、これこそ無理があり、支払い基準や、残金の精算など、公平性に更に頭を悩ます結果となります。
お金の使い方には、ここではよくよく考えないといけないなと思います。


[3、清浄化農場の認定証]

口蹄疫やBSEでは、国又は地域単位で清浄化が達成できれば、一定期間の後、OIE(国際獣疫事務局)がステータスの認定を行っています。
例えば、口蹄疫であれば、日本は 「ワクチン非接種清浄国」 と認定されています。
また、BSEでは 「無視できるリスク国」 と認定されています。
これは、OIEのような第3者機関がステータスを認定することで、 国際的な輸出品の安全性の指標になってます。

現在、BLVの検査を家畜保健衛生所で行っていて、獣医師からの依頼で検査を行い、結果は獣医師宛に出るようです。

それで、清浄化に取り組んだ結果、全頭陰性になって清浄化が達成されても、検査結果が獣医師に「陰性」と出るだけらしいです。

生産農家にとって、このBLVの清浄化って、相当重い決断の元実施しているのに、達成しても誰も認めてくれないのが現状のようです。

先に述べたOIEのような第3者機関が、清浄化達成した農家を、「清浄化農場」として認定証を出してほしいです。それがあることで、達成した実感がわきますし、その農場の評価が上がるし、何より清浄化を継続するモチベーションにもなり、防疫意識の向上につながります。
第3者として、家畜保健衛生所でも、普及センターでも、県でもいいので、認定証を出してほしいですね。


[4、教育、勉強会]

とある会議の中でBLの話が出たんですが、感染した牛と発症した牛の話がごっちゃになってて、区別がつかなくなることがあり、まだまだこのBLVの認知度が低くいと思いました。

それに、こちら宮崎では口蹄疫がありましたので、「感染」と名が付くものには敏感で、近寄りがたさを感じます。中には初めて聞いた、また広がるのか、みたいなこともありますね。

確かに行政側としては、都度情報誌などで注意喚起をしているものと思います。
ですが、身近にその事例が見当たらないので、実感がわかないですし、話をすることも無いです。
これは、具体的事例が無く、危機感が感じられないからだと思います。
やはり、もっとことあるごとに勉強会を開いて、感染率や発症したときの事例や実際に検査を受けたとこの事例などをあげて、身近な問題であるということを広めないといけないと思う。

自身の農場がリスクの根源のひとつである、ということを認知してもらう必要があると思います。
そして、少しでも早く清浄化へ向けた取り組みに乗り出してほしいですね。


[5、オプション]

告知して流通するのであれば、当然いろいろと違う動きが必要になってきます。

セリ場での感染を防ぐために、日や時間をずらしたり、繋ぎ場を別にしたり遮蔽するネットを設置したりで、追加の費用が必要になることもある。
また、運搬時に遮蔽するネットが必要だったり、別便になったりで追加の運搬経費もいるかもしれません。
こういう清浄化へ向けた取り組みを支援するところには、補助金を充てることができるのではないかなと思います。
先に、補助金は使わない、としましたが、こういう流通経費の部分は清浄化を促すことになるので、是非予算化をしてほしいと思います。


清浄化を達成した農場とそうでない農場との差別化を図る必要があると思います。

清浄化には、かなりの無理を強いる場合もあり、農場としてはダメージは計り知れません。
それを後押しする意味でも、あらゆる補助金の対象範囲に、優遇処置があってもいいのではないかなと思います。


簡易検査キットなるものが、あらゆるところから販売されてます。

現在は、清浄化を目的とした検査を家畜保健衛生所で実施してます。これが公式検査なので必要なのですが、現場の実態としては、検査だけして絶対数を把握したい、というのが本音ですね。
この検査キットを活用した「検査だけ」を、奨励していくのがいいと思います。経費の算定や、農場の決断や、市場の取り扱いの判断にも使えます。
これを認めてもらえれば、もっとスムーズに動けるような気がします。
ここにも補助金としての活用範囲があるのではないかなと思います。


[まとめ]

いろいろ書いてきましたが、基本はこのまま増えていく一方のBLV感染牛を止め、そして減らしていく。
最終的には、肥育農家さんでの発症をゼロにしていく取り組みです。
一刻も早く、一農場だけでも早く、清浄化へ向けて進んでほしいですね。

--------------------------------------------------------------------
ここに書いたことが、全て正しいとは思いません。
あくまで私個人の意見と思ってください。
ただ、あちこちの公開されている資料に目を通しても、どこもここまで具体的に、そして突っ込んだ書き方はしてありません。淘汰の方法、流通する方法、公開または非公開がいいのかなど。「清浄化しましょう」と書いてお茶を濁して終わりです。

なので、少し乱暴で、不快に思われた関係者方々もおられたことと思います。
ですが、無駄になるかもしれませんが、どなたかの一助になればと思います。
長文失礼しました。


ご意見等ありましたら、ここへコメントして下さい。
よろしくお願いします。

« 謹賀新年 2017 | トップページ | 都城子牛セリ市のライブ配信が始まりました。 »

BLV(牛白血病)」カテゴリの記事

コメント

我が家の繁殖牛たちのいつの間にか半数以上が感染しています。我が市では3年ぐらい前から家保が中心となって放牧場での分離飼育(牧区の分離)が始まり放牧場での感染はそれ以降防いでいる状態のようです。
我が家でのアクションとして積極的な淘汰はあまり考えていませんが今後保留する牛は非感染の牛になると思います。でも隣の牛舎(肥育農家さんです)からあまり離れていないので清浄化してもそちらからの感染を防ぐ事は0にできないのではないかと考えています。
確かに市場での表示は良い事と思いますが我が市場全体では合意されるか疑問です。私自体は感染表示は賛成ですが自分の所だけ表示はしにくいのが本音です。ワクチンの開発も待たれるところです。

なかなかコメントしづらい内容ですね。それでも、頑張ったkawabataさんに敬意を表します。

口蹄疫などは、家伝法で、治療せず淘汰する、移動禁止などの法的措置がなされるのに、BLは、何故、そうしないのか。この辺りが、国の考えを象徴しているのではと思われます。

それから、感染牛を市場に上場し、1割をペイバックする案ですが、やはりキャリアと分っていて購買に踏み切る肥育屋さんが2名以上いるかどうか。なんせ、BLVそのものを購買するわけですから、そこからの感染・発症を考慮に入れる人が殆どだと思われ、恐らく、セリは成立しないことが多いでしょうね。殆どが、JA購買になるのではないでしょうか。その後の牛の行方ですが、JAが肥育するだけの設備・体力があれば良いですが、地元肥育農家へ斡旋する形にせざるを得ないと思われます。

生産者をはじめ、全ての関係者が勉強会等でBLについて正しい知識を習得し、公表や流通について一定の合意を得ることが出来たとしても、一般消費者にそれを理解してもらうのにどれ程の時間と労力が必要か、恐らく天文学的数字が必要ではないでしょうか?
そもそもBLと言うのもBSE同様、日本名では誤解を生じるということで、英語表記にしている姑息な手段であることは周知の事実です。実際、人の白血病は牛乳が原因と言うとんでもないデマがまことしやかにささやかれ、大量の牛乳が廃棄された事実もありますし。
国が関与しなければ清浄化できないと言う思考停止かもしれませんが、仮に今後和牛が世界に打って出るつもりなら、国策としてのBL清浄化は必須だと思います。農水がお金がないことを理由に及び腰になっているだけだと私は思います。

>mandarin さん
貴重な体験のコメント、ありがとうございます。
半数以上というのはかなりきついですね。
それでも清浄化へ向けて取り組んでいる様は流石です。精神的にもきついですね。
お隣さんの話はあまり気にすることではないような気がします。農水省のガイドラインでも、牛と牛の間にネットを一枚張るだけで大丈夫なようですので、少し離れていれば大丈夫のようです。
ワクチンも何とかしてほしいですね。

>Cowboy さん
こうして問題になっていても、意外と感染率は低くて口蹄疫ほどではないんですよね。
フツーにそこら中に常在しているのが現状でしょうから、今から規制と言ってもね、といった感じでしょうか。お金も莫大になりますし。

>やはりキャリアと分っていて購買に踏み切る肥育屋さんが
ですが、確かに難しいのかなと思います。JA購買ですかね。
でも、分からずに購買するのと、分かってて購買するのとでは意味が変わってくるんですよね。
セリが成立せずに最低落札価格でJA購買で肥育した場合、発症しなければフツーの出荷ができますので、利益は相当出ます。発症率を考えると、専属でやってもいいのではと思ってしまいます。

とは言いつつ、大変難しいことになるとは思っています。
ですが、ここまで振り切って考えてみないと、この問題の本質は分かってこないのかなと思っています。

>一宮崎人 さん
コメントありがとうございます。
まずは、私たち生産者は現状を知ることからやらないといけないと思います。
BLって何?、知ってるけど自分に関係ない、感染してるけど問題ないやん、ではこの問題は表面化しないですね。
やはり皆が検査を受けて、清浄化へ取り組んでみて、そのうえで問題点を上げていかないと、補助金欲しさの淘汰が始まってしまいますね。
ここに書いていないもので、国の関与が必要なところはまだまだ出てきます。
なので、国を待つのではなく、国を動かすことを考えていかないとと思っています。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/212652/64662828

この記事へのトラックバック一覧です: BLV(牛白血病)の清浄化対策。:

« 謹賀新年 2017 | トップページ | 都城子牛セリ市のライブ配信が始まりました。 »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

GoogleAdsence

  • GoogleAdsence
無料ブログはココログ