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2017年3月

2017年3月21日 (火)

BLV(牛白血病)清浄化を民間の力で。

そもそも、BLVに感染しているかどうかの検査を、公的機関の家畜保健衛生所=(家保)で行っているが、民間の獣医師のいる診療所等ではできないのだろうか?

先の記事で、法的位置づけについて書いてみたが、感染力が弱いせいかどうかわからないが、法律的には明確な対処法は書かれていない。
家畜伝染病予防法施行規則=(施行規則)に、牛白血病は「伝染性疾病」、として位置づけられているだけである。
そして、家畜伝染病予防法=(予防法)の第4条に、「届出伝染病」として定義され、知事に届けなければならないのは周知の事実。

ですが、それらは牛白血病を発症した牛の場合であって、BLVに感染している牛の取り扱いは、牛白血病に関する衛生対策ガイドライン=(ガイドライン)に則ることとなってます。
その(ガイドライン)には、
「清浄化には、家保の職員、獣医師、家畜人工授精師、関係機関等と協力し て、計画的に進める必要がある。」
と記されているが、家保が検査をすること、とは謳っていないです。
公的機関である家保が検査するのが最も良いことは分かりますが、人的余力があるかと言えば、それはNoだと思う。本病の増加が止められない今、検査そして清浄化へと取り組むには、スムーズな検査があってこそ、増加が止められることと思う。

こういう時こそ、民間の力を使うことは当然だと思う。というか、民間でもできることを、公的機関だけがするよう縛っているのは、一種の民業圧迫ではないだろうか。
(どこかに、家保が検査すること、と謳っているのかな?)

同じ機材、同じ検査方法、同種の検査キット、そして家保と同程度の知識、技術力を備えた優秀な人材は民間には多く存在する(と思う)。それに、折しも団塊世代の定年を迎えた獣医師もいるのではないだろうか。

BLV清浄化プログラムとして、検査-清浄化計画-更新実施-歯止策、と一連のアドバイスをする民間の団体があってもいいのではないだろうか。
当然、家保の承認や認可関係は必要になるだろう。
特に、この更新実施と歯止策に関しては、家保としては何もできないが、民間だと、感染牛の肥育向け販売や、BLフリーの繁殖牛の斡旋などにも対応ができるのではないだろうか。

国は、検査と感染対策に関しては補助金を工面できるが、それ以上の手立てができないでいるように見受ける。
先の記事にも書いたように、牛自体の更新もなじまない。
であれば、こういった民間団体の検査機器や人件費や防疫資機材への補助金の投入は可能なのではないだろうか。

今正に喫緊の課題である増加を止め、更には国全体のBLフリー化への道筋ができるのではないのだろうか。

ここらで、BLVの清浄化対策に、民間の力を投入するときだと思いますが、いかがでしょう。

2017年3月20日 (月)

「ねお」 のセリ市でした。

3月度は ねお のセリ市でした。
日齢288日、体高120、体重300kg、セリ値760千円でした。
購買先は、県内地元の方でした。
ご購買およびセリ参加いただいた方ありがとうございました。

ねお は、
血統は、勝平正×福桜王×日向国×安平で、えみこ の子。
その えみこ は福桜王の唯一の繁殖牛です。
今回の期待育種価もCBCAAAと上がってきていて大変うれしいです。
我が家産の種雄牛で期待育種価が出るのもいいですね。それも本原で。

測尺は、体高120、後高125、胸囲154、腹囲183、栄養度6で、マニュアルOKでした。
勝平正の特徴は残しつつも、体高、幅もあって、繁殖にはいい造りだなと思いました。
毎回そうはいかないのがこの仕事ですけどね。

当然、この牛も「BLフリー」です。
ご購買先が繁殖かどうかは分かりませんが、そのことも含めて貢献してもらえたらいいなと思います。
やはり、何らかの形で、BLフリーである旨を表示する術がほしいなと願うばかりです。

Photo
肩もでず、体上線もまっすくで。


Photo_2


Photo_3


Photo_4

幅はそこそこありますね。肩幅はそのまんま勝平正ってことで。


2017年3月 2日 (木)

BLV(牛白血病)の法的位置付け。

どうしても、口蹄疫の影響が大きかったせいか、牛白血病としての清浄化について殺処分など同様に考えてしまうきらいが今でもある。
なので、大元の法的な位置付けについてみてみた。

対象となる法律が

とりあえず、この(予防法)の目的をおさえておきます。

(目的)
「この法律は、家畜の伝染性疾病(寄生虫病を含む。)の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図ることを目的とする。」
とされてます。

(家畜伝染病の定義)ですが、牛に限っていえば、
  • 牛疫
  • 牛肺疫
  • 口蹄疫
  • 伝達性海綿状脳症(BSE)
と、15項目がありますが、牛白血病はありません

そこで、「患畜」とは、この家畜伝染病にかかっている牛をいい、
「疑似患畜」とは、この家畜伝染病にかかっている疑いがある、又は触れた疑いがある牛をいいます。

そして、この患畜は(予防法)の第16条で、「所有者は、直ちに、殺さなければならない。」と義務付けされています。
更に、(予防法)の第17条で、「知事が、まん延防止のため、患畜を殺処分することを命ずることができる。」とし、
疑似患畜については、「大臣が、まん延防止のため、殺処分の指定をし、知事が、疑似患畜も殺処分することを命ずることができる。」
とされています。



一方、牛白血病はというと、施行規則に「伝染性疾病」として定義されています。

(伝染性疾病)は、牛に限っていえば、
  • ブルーダング
  • アカバネ病
  • 悪性カタル熱
  • チュウザン病
  • 牛白血病
と、22項目が定義されています。

(届出義務)「届出伝染病」
その伝染性疾病に「かかっている、又はかかっている疑いがあることを発見した場合は、獣医師が知事に届けなければならない」、として(予防法)の第4条に規定されています。

ですが、牛白血病にかかった牛のその後の扱いについては、(予防法)(施行令)(施行規則)共に、何ら具体的には明記されていないですね。

因みに、この「かかっている、又はかかっている疑い」とありますが、この「かかる」は「罹る」と書きますので、「発症している、又は症状を呈している」という意味で捉えられると思います。
ということは、BLVに感染している状態ではないということだと思います。

じゃぁ、牛白血病としての扱いはというと、先に書いた(管理基準)と(ガイドライン)に行きつきます。
家畜としての健康状態を常に監視し、異常があったら即座に対応するよう書かれた(管理基準)。
そして、その中でも経済的影響が大きく、感染の拡大を止められない牛白血病は喫緊の課題であり、それを(ガイドライン)として定められているようです。



まとめますと、

家畜伝染病、としての口蹄疫。

伝染性疾病、としての牛白血病。

と分けて管理されています。空気感染をする口蹄疫の、その感染力の強さとは、明らかにレベルの違いがあるのだと思われます。


そして、それを象徴するように、患畜だけでなく疑似患畜という「触れた疑いがある」というところまでターゲットにしている点。
更には、所有者の意思には関係なく、大臣及び知事名で殺処分まで命ずることができる点は大きいですね。
所有者の、家畜という財産を奪うという意味では、収用法的な意味合いを持つようです。
患畜、疑似患畜という診断を受けた段階から、家畜としての資産価値を失いますので、その損失補てん金は必要ですね。


そう思うと、牛白血病は何らかの媒体を通じて、BLウイルスを含む血液を介さない限り、感染はしないし、発症もしないという点では、ややレベルは低く管理できる範囲と思われます。
発症すれば廃棄処理の為、資産価値は失われますが、BLVに感染しても数年間は通常の繁殖もできますし、肥育して肉としての販売も可能なので、家畜としての資産価値は十分あります。
口蹄疫のように、清浄化の名目のもと殺処分して損失補てん金を充てるという考え方は、BLV(牛白血病)の清浄化にはそぐわないですね。


ということで、
ざっくり書きましたが、口蹄疫と牛白血病とを、法律の上で同列に扱うことには、かなり無理がありますね。

やはり農家単位で、地道に淘汰・更新と、水平・垂直感染を防ぎながら、清浄化を進めるべきと思います。


因みに、現在口蹄疫が侵入して、殺処分となった場合、その患畜および疑似患畜の殺処分での損失補てん金は、「手当金」として支払われます。
その金額は、(家畜の評価額の最高限度額)として、牛にあっては95万円、と平成28年9月14日付改正の(施行令)第8条に明記されています。

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