たかもり 卒業2018年1月17日
「たかもり」 も我が家を卒業しました。
17年と長きに渡ってずっと支えてくれて、そして楽しませてくれた、我が家では「名牛」でした。
今回妊娠牛としてセリに出し、都城の繁殖・肥育一貫農家さんでのご購買となりました。
セリ結果
「たかもり552」号
血統、安福165の9×紋次郎×糸光◆
体重、639kg
平成12年7月9日産まれ、17才6ヶ月
産歴、14産、採卵1回
受胎、H29年8月20日付の耕富士
セリ値、537千円 でした。
こんな高値でのご購買頂き、ありがとうございました。
「たかもり」 は、私がこの仕事を始めた約10年前には我が家に来ていました。
H13年当時、地域で安福165の9がほしいと言う要望から、まとめて買ってきたのを皆で競って分けたそうです。そのうちの最も大きかったのが「たかもり」で、当時母が意地でも射止めたそうです。
大分ムリした模様w
ずーっと福桜を交配して生産してきて3産目の枝肉成績が出た際、9番の525.2kgという結果と、こちらでは見かけない特殊な血統であったことから、H19に基礎雌牛に認定されました。
それから立て続けに「福桜王」、「茂勝王」、「安平王」と種雄牛を生産する運びとなりました。
残念ながら、「福桜王」と「茂勝王」は、口蹄疫発生時に県家畜改良事業団にいましたので、デビュー直前で殺処分となり日の目を浴びずにお墓に入りました。
これ以外にも、採卵を「安秀165」で行い安福165の9×紋次郎をダブルで掛け合わせた種雄牛を畜産試験場で試みました。残念ながら増体が期待できずに断念しましたが、後継のメス牛は我が家にいます。
それと、「北茂勝96」での種雄牛も狙い、「北茂王」として直接検定まで行きましたが、これが種雄牛への道への最後でした。
以降、「茂勝」と「福桜」でメス後継を我が家に残し、昨年11月に「清福久」でメス後継を西都市の川越さんの元に届けることができました。
ズラズラと経歴を書きましたが、17年で14産して採卵を挟んでの連産です。ほぼ1年1産を達していると言う事は、この牛の最大の魅力だと思います。
特筆すべきは、「たかもり」の内臓の強さと、精神的な安定さだと思います。
日々変化する飼料にも柔軟に対応し繁殖も非常に安定していました。
その上、牛群の中でも、もともとボス気質で、売られたケンカは必ず買う荒々しい反面、目上の者や子牛たちにも優しく、何かプライドを感じる牛でしたね。
こういった安定感のある牛がいると、他の牛も落ち着くので助かっていましたね。
今回、高齢にもかかわらず妊娠牛としてセリに出しました。
いやいや、まだまだ頑張る、と言わんばかりに発情が来てましたので、これが最後と思い「耕富士」を付けてあげました。
もともと繁殖能力が強く、お産が上手で、お乳もよく出て、子育てもうまい、イイ母牛でした。
恐らく最後のお産となると思いましたが、いやいやまだまだ大丈夫と思いましたので、他の方に譲ろうと思いました。
この貴重な血を、購買者先でしっかり残してもらえたらと思います。
この「たかもり」と出会って、経済面でも十分貢献してくれましたし、何よりも種雄牛造成という一段上の楽しみも教えてもらいました。
いなくなると、何か物足りない感じですが、次で頑張ってくれてると思います。
「たかもり」いろいろとありがとう。
何にしても温厚でしたね。
左が「たかもり(安福165の9×紋次郎)」で、次のボスが右の「このみ(勝忠平×紋次郎)」。
意外にも母方の父は同じ紋次郎じいちゃんでした。
背線はやや緩くなっていますが、四肢はしっかりしたものです。
若干お腹周りがw
平成20年当時、採卵に行くところ。やっぱ若いですね。
行った畜産試験場で、同室の同僚とケンカを始めるので、困った挙句個室をもらってました。
隣には余生を送っていた「きよふく(安平の母)」と並んでました。
育種牛の認定。
指定交配カード。育種価を見ると今では見劣りしますね。
福桜王。残念。
茂勝王。残念。
「安平王」の授精カード。若い安平を付けてと選んだのがH5年。
安平の生年が平成元年ですので、4才時の種。若くて血気盛んな頃ですね。
採卵前でも後でも、1年1産していく繁殖能力の高さが光りますね。
こんな成績、我が家には他はいません。
素晴らしいです。
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