カテゴリー「福桜王」の23件の記事

2019年6月27日 (木)

「福桜王」が枝肉共進会に。

また、この種牛の記事を書くことになるとは思いませんでした。

先日の6月18日に行われたJA宮崎経済連和牛枝肉共進会に、福桜王を父に持つ牛が最高ランクのA5のBMS12番という成績を叩き出してくれました。
残念ながらGCではないですが、最高ランクでの成績ということで驚いております。
出品頭数104頭の中での12番というのは、共進会ということでもあり40頭程になってます。
ですが、世間の主流は、耕富士、義美福、美穂国、秀正実を父に持つ牛ばかりです。
メジャーでもなく、(今となっては)特段の成績を残したわけでもなく、何より精液が流通する前にあの口蹄疫で殺処分された福桜王ですので、出品にあたり相当の不安があった事だろうと思います。
でも、それを押してでもその仕上がり具合に余程の自信があったのだろうと思います。

共進会という大きな舞台で、それも最高ランクの好成績を出してくださった肥育農家さんには感謝しかありません。
N村さんありがとうございました。

並びに、子牛を生産された繁殖農家のS下さんにおかれましても、よくご理解し生産して頂いたことに大変感謝申し上げます。
指定交配とは伺ってはいますので、もしかしたら別の道もあったかもしれないと思うとゾクゾクします。
桃白鵬がんばれ~、応援しております。

今回は共進会という舞台での話なのですが、出品された1頭の牛に、繁殖生産された農家さんや、それをセリ落とした肥育農家さん、指定交配を依頼したJA担当、種牛を生産した我が家、それ以外にも多くの方々が関わって、牛肉としてそして宮崎牛として生産されてることに、この日本の和牛の奥深さが感じられますね。

1頭1頭の牛それぞれに、いろいろな物語があってココに生産されているんだろうなと実感してます。

最後は、消費者の皆さんでおいしいと笑顔で食べて頂けると大変ありがたいです。

血統:福桜王×福之国×安平
枝肉重量:564.1kg
ロース芯:76cm
バラ厚さ:8.3cm
皮下脂肪:2.9cm
推定歩留:75.2
BMSNo:12番
等級:A5
購買先:(株)みやちく宮崎営業所さま

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福桜王の記事はこのリンク先でまとめて見ることができます。

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http://usi-cow.cocolog-nifty.com/blog/cat23234465/index.html

2018年2月14日 (水)

たかもり 卒業2018年1月17日

「たかもり」 も我が家を卒業しました。

17年と長きに渡ってずっと支えてくれて、そして楽しませてくれた、我が家では「名牛」でした。

今回妊娠牛としてセリに出し、都城の繁殖・肥育一貫農家さんでのご購買となりました。

セリ結果
「たかもり552」号
血統、安福165の9×紋次郎×糸光◆
体重、639kg
平成12年7月9日産まれ、17才6ヶ月
産歴、14産、採卵1回
受胎、H29年8月20日付の耕富士
セリ値、537千円 でした。

こんな高値でのご購買頂き、ありがとうございました。

「たかもり」 は、私がこの仕事を始めた約10年前には我が家に来ていました。
H13年当時、地域で安福165の9がほしいと言う要望から、まとめて買ってきたのを皆で競って分けたそうです。そのうちの最も大きかったのが「たかもり」で、当時母が意地でも射止めたそうです。
大分ムリした模様w

ずーっと福桜を交配して生産してきて3産目の枝肉成績が出た際、9番の525.2kgという結果と、こちらでは見かけない特殊な血統であったことから、H19に基礎雌牛に認定されました。
それから立て続けに「福桜王」、「茂勝王」、「安平王」と種雄牛を生産する運びとなりました。
残念ながら、「福桜王」と「茂勝王」は、口蹄疫発生時に県家畜改良事業団にいましたので、デビュー直前で殺処分となり日の目を浴びずにお墓に入りました。

これ以外にも、採卵を「安秀165」で行い安福165の9×紋次郎をダブルで掛け合わせた種雄牛を畜産試験場で試みました。残念ながら増体が期待できずに断念しましたが、後継のメス牛は我が家にいます。
それと、「北茂勝96」での種雄牛も狙い、「北茂王」として直接検定まで行きましたが、これが種雄牛への道への最後でした。
以降、「茂勝」と「福桜」でメス後継を我が家に残し、昨年11月に「清福久」でメス後継を西都市の川越さんの元に届けることができました。

ズラズラと経歴を書きましたが、17年で14産して採卵を挟んでの連産です。ほぼ1年1産を達していると言う事は、この牛の最大の魅力だと思います。

特筆すべきは、「たかもり」の内臓の強さと、精神的な安定さだと思います。
日々変化する飼料にも柔軟に対応し繁殖も非常に安定していました。
その上、牛群の中でも、もともとボス気質で、売られたケンカは必ず買う荒々しい反面、目上の者や子牛たちにも優しく、何かプライドを感じる牛でしたね。
こういった安定感のある牛がいると、他の牛も落ち着くので助かっていましたね。

今回、高齢にもかかわらず妊娠牛としてセリに出しました。
いやいや、まだまだ頑張る、と言わんばかりに発情が来てましたので、これが最後と思い「耕富士」を付けてあげました。
もともと繁殖能力が強く、お産が上手で、お乳もよく出て、子育てもうまい、イイ母牛でした。
恐らく最後のお産となると思いましたが、いやいやまだまだ大丈夫と思いましたので、他の方に譲ろうと思いました。
この貴重な血を、購買者先でしっかり残してもらえたらと思います。

この「たかもり」と出会って、経済面でも十分貢献してくれましたし、何よりも種雄牛造成という一段上の楽しみも教えてもらいました。

いなくなると、何か物足りない感じですが、次で頑張ってくれてると思います。

「たかもり」いろいろとありがとう。


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何にしても温厚でしたね。



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左が「たかもり(安福165の9×紋次郎)」で、次のボスが右の「このみ(勝忠平×紋次郎)」。
意外にも母方の父は同じ紋次郎じいちゃんでした。



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背線はやや緩くなっていますが、四肢はしっかりしたものです。


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若干お腹周りがw


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平成20年当時、採卵に行くところ。やっぱ若いですね。
行った畜産試験場で、同室の同僚とケンカを始めるので、困った挙句個室をもらってました。
隣には余生を送っていた「きよふく(安平の母)」と並んでました。


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育種牛の認定。


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指定交配カード。育種価を見ると今では見劣りしますね。



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福桜王。残念。


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茂勝王。残念。


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「安平王」の授精カード。若い安平を付けてと選んだのがH5年。
安平の生年が平成元年ですので、4才時の種。若くて血気盛んな頃ですね。


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採卵前でも後でも、1年1産していく繁殖能力の高さが光りますね。
こんな成績、我が家には他はいません。
素晴らしいです。

2017年4月 3日 (月)

宮崎県家畜改良事業団へ「安平王」を見に行く。

久々に、県の家畜改良事業団へ行くことができました。

というのも、

H29年度で、「安平王」他数頭が廃用を迎えるということでしたので、ぜひ最後の姿を見せてほしいと、JAを通じてお願いした結果、今回実現しました。
それも、口蹄疫以降、関係者以外立入厳禁の厳重体制の所、見学等は全て排除されていて絶対に入れないと思っていましたので、大変恐縮しきりでした。
併せて、殺処分された「福桜王」、「茂勝王」の眠る慰霊碑にも、お参りしたいとお願いしていたのも、実現へ導いたものと思います。

当然、車は中には入れず。人だけ消毒ルームに案内され、手洗い、全身消毒を受けて、そして全身防護服を身に着けての入場でした。もちろん持ち物はスマホのみです。

通されたのは会議室で、窓際から芝生の張ったスペースが広がり、そこに 安平王 は出てきてました。

かれこれ6年ぶりに再会できました。まぁ立派になってること。
僅か8ヶ月程で分かれていますので、力強くなっていました。
というか、特徴が顕著になるんだなと思いました。
前駆が非常に強く、お尻が小さく、骨じまりがよくといったところ。
そして、外に出たのが嬉しかったのか、ちゅわんちゅわんしてましたw

実際には、ガラス窓は開けれない条件でしたので、ガラス越しでの対面です。
それでも、近くに来た時には、その息づかいや筋肉の動き、毛並み毛艶などもよく分かり、丁寧に、そして大事に管理されてるのがよく分かりました。

廃用は実に残念ですが、年間9頭ずつ新規の種雄牛が誕生し、ここ高鍋と西米良の種雄牛センターに入ってくるので、世代交代はやむを得ないですね。
ここ最近の異次元ともとれる検定成績を叩き出すルーキーに比べれば、なかなか思い切った成績が残せなかった「安平王」にとっては、今までここ高鍋で暮らせたことは名誉なことだったことと思います。

5日には廃用ということでしたので、最後の雄姿を見せて頂いて大変嬉しかったです。
今まで、大事に育てて頂いて、関係者の皆さま、ありがとうございました。



それと、今回殺処分になった種雄牛達の慰霊碑にもお参りしました。

場所は、場外の北東部に位置していました。
場外ですので、普通に行くことができるそうです。

こんもりと盛り上げられたその一角は、芝生で覆われ手入れが行き届いていて丘のようなところ。
その手前に、慰霊碑が設置されていました。
中には49頭の種雄牛達と、その汚染物等が、相当な深さで埋められているそうです。

・・・6頭避難・・・うち忠富士が・・・発熱したのがいる・・・全頭殺処分指示・・・反対署名・・・まだか・・・
正にあの現場ですね。今でも足が震える感じが蘇ってきます。

「福桜王」「茂勝王」そしてあの「安平」もここで眠っているそうです。
49頭が安らかに眠ってほしいですね。

慰霊碑の前には、ビー玉が散りばめられてコンクリートに埋められて、光を放っていました。施工した工事の方が作られたそうです。それも50個。
「忠富士」も場所こそ違えど、気持ちは同じココ慰霊碑に埋葬されているそうです。
この話を聞いて、ちょっと気持ちが落ち着きました。

お参りしただけですが、長らく気にかかっていた所でしたので、安心しました。


これで、種雄牛の誕生から終了まで携われることができました。
種雄牛の最後を見に来られる方は無く、人知れず廃用になっていくそうですので、今回最後の雄姿まで見れ、そして慰霊碑も見れて、大変充実しました。

「福桜王」「茂勝王」「安平王」に携われた関係者の皆さま、大変ありがとうございました。


因みに、本日、育成の「みくの1(華春福×百合茂)」に「安平王」を付けました。


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いざ事業団へ


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ガラス越しの 安平王

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元気そうでした。


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少し離れていますので写真は難しいですが、特徴がよく分かりますし筋肉の付き方骨具合も分かりますね。


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福桜王

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茂勝王

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忠富士



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英雄たちの慰霊碑

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レジェンドもいますね。



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慰霊碑

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50個のビー玉が光ってますね。

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口蹄疫殺処分の慰霊碑へは、事業団の敷地外の東端の道から行けます。
制限は無いそうですので、いつでも行けるそうです。


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たかもり、H12年産まれ、王達の母牛。清福久のメスを先日逆子で産んでなんとか無事でした。
もう今年で最後かなと。

2016年10月18日 (火)

「蔵」「統」「おうらばとら」のセリ市と、「かつこ」の別れ

9月、10月のセリ市をまとめて。

9月16日は「蔵」のセリ市でした。

体重は320kg、日齢287日、胸囲162cm、腹囲190cm。
セリ値822千円で、宮崎県経済連さんでのご購買でした。
経済連さん、そしてセリに参加していたただいた方々ありがとうございました。

血統は、勝平正×茂勝×安福165の9×紋次郎
母は「あいたかもり」で、安平王の異父兄弟の妹。「たかもり」の指定交配の最後でした。

産まれてすぐから茂勝の特徴なのか、前駆がガッチリしているのが分かりました。
成長するにつれ勝平正に似てくる感じで、全体的にはボリューム感はありますが、やや背幅に欠けるところの子でしたね。
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変って、
10月17日は「統」と「おうらばとら」のセリ市でした。

「統」は、体重は313kg、日齢274日、胸囲160cm、腹囲185cm、栄養度5-。

セリ値764千円で、鹿児島のMファームさんでのご購買でした。
ありがとうございました。
血統は、勝平正×安福165の9×紋次郎×糸光◆で「たかもり」の子。
13産目、御年16才と、高齢出産にもかかわらず、300kgを超える子を生産してくれてます。
昔に比べれば、やや、衰えを感じる時がありますが、まだまだ生命力は強いですね。
お腹には清福久が入っているので、この子を見た後、今後の進退を考えたいなと思っています。
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そして、
「おうらばとら」は、体重は279kg、日齢295日、胸囲152cm、腹囲187cm、栄養度6。
セリ値652千円で、全農トウキョウのK野さんでのご購買でした。
トウキョウなんだーと、ちょっとびっくり。
ご購買ありがとうございました。
血統は、安平王×美穂国×福桜王×日向国で「すうぱあせる」の子。
初産なので、やや小柄ですが、但馬らしさがあり、伸びのある子でした。
保留も考えたのですが、すうぱあせるの結果もほしいので出しました。
それと、血統からも分かる通り、王が被っています。間に美穂国を挟んでいますが、父方にも母方にも「たかもり」が出てくる近親交配になります。そのことが、産子に影響ないか確認をしたかったのもあったので試してみたところです。
安平王×福桜王の交配も可能なのですが、そこはまた今度ということで。
無事に成長できたので良かったなと思っているのと、そんなことができる生産者もあまりいないだろうなと思った次第です。
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最後に「かつこ」を妊娠牛で出しました。
血統は、福桜×上福×安平、H17年生まれの8産目。
お腹には「安平王」。
体重666kg、セリ値683千円でした。
県内の方がご購買でした。ありがとうございました。
お産後、狂暴化することと、妊娠鑑定時に判明した脂肪壊死症と、後ろ足をややかばうのをアナウンスしてのセリでしたので、やや厳しいセリだなと思いましたが、予想以上の評価でした。
この「かつこ」と美穂国との相性は抜群で、2頭も郡品まで連れて行ってくれ、更にはその郡品の子の産子も、郡品に行く子が出る家系でした。
体型の崩れないしっかりした福桜でしたので、ここまで引っ張りましたが、流石に時代について行けないですね。
長きにわたって貢献してくれました、ありがとう。

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2015年8月29日 (土)

ここたかもり と すうぱあせる の登録

昨年、自家保留した「ここたかもり」 と 「すうぱあせる」 の登録検査でした。
これを受けて、1牛前の繁殖雌牛になります。

ここたかもり は、H26/1/23生まれ、19ヶ月齢。
血統は、福桜×安福165の9×紋次郎×糸光◆。
体重460kg、体高127cm、胸囲184cm、体深67cm、栄養度6。

審査点数は、81.5点、本原登録でした。


すうぱあせる は、H26/2/5生まれ、18ヶ月齢。
血統は、美穂国×福桜王×日向国×安平。
体重510kg、体高131cm×胸囲187cm、体深66cm、栄養度6。

審査点数は、81.8点、基本登録でした。


どちらも、点数の高い低いは別として、無事登録できて、我が家の若手戦力として頑張ってもらいます。
因みに、自家保留の理由を記しておきますと、

「ここたかもり」は、たかもりの後継牛で、茂勝、安秀165、そして今回の福桜と3頭体制になりました。特筆すべきは、福桜王と全兄妹にあたります。あの兄ちゃん程はありませんが、いい感じの体格に、おとなしい性格に育ってきました。腹には秀菊安です。
そして、福桜は母牛としてもそろそろ市場から消えつつありますが、この子は最新型H26年式のぴちぴちぎゃるです。

「すうぱあせる」は、えみこの初の後継牛です。えみこの導入には感慨深いものがあって、どうしても血を繋いでおきたかったところでの、今回の保留につながりました。
美穂国の力もありますが、増体の良さは、あの福桜王を思わせるところがあり、スーパーな母牛になって、スーパーな子牛を量産してくれることを期待しているところです。腹には安平王で、こっそりサンドしてあります。

ということで、今回の登録検査には、福桜王が絡む2頭でした。


ここたかもり 81.5
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すうぱあせる 81.8
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体長160cm(@_@)

2013年11月18日 (月)

あいたかもり と 組 のセリ市でした。

11月18日都城家畜市場にて、あいたかもり と 組 のセリ市でした。

あいたかもりは、結局自家保留の為、出場しませんでした。元々保留を決め込んで伝えてあったんですが、町や郡の品評会に出ることで、他の要因が絡み、セリ名簿にそのまま載ることになってしまいました。まあ、結果して郡品はそこそこで終わったので、無理に出場をする必要も無くなったようで、連れて行きませんでした。(もし、万が一にも、狙っておられた方がいましたら、お詫びします。すみませんでした。)
よって、あいたかもりは正式に我が家の新兵器として活躍してもらいます。

組(福之国×福桜王×日向国×安平)は元気に出場しました。マニュアル牛には不合格でしたが、腹づくり、栄養管理においては評価していただきました。
測尺 胸囲153cm、腹囲194cm、差41cm、栄養度5-。
ただ、後ろ足の踏ん張りが弱いということで残念でした。
セリの結果は、日齢287日、体重298kg、セリ金額556千円で、体重・セリ金額共に平均越えでした。購買者は都城市内のようで、地元に残ってくれました。地元に評価されるのはうれしい限りです。ご購買ありがとうございました。
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今回、組は福桜王の「えみこ」の子で2産目でした。
えみこは、血統が 福桜王×日向国×安平 で、H22に試験交配の子を、229kg、347千円で導入したのでした。ほとんど使命感と言うか趣味で導入したのですが、今回の組のような子を生むまでになってくれました。初産は「いろどり」という名で、血統は福之国で、日齢287日、279kg、358千円で生産しています。ひ弱なえみこでしたが、無事出荷でき、福桜王の繁殖能力を、一頭で評価・証明しているところです。後は産肉能力がどう出るか楽しみです。(一頭宮崎牛計画?どっかで聞いたような)

2012年6月20日 (水)

福桜王の肉がならぶ日、とうとうやってきた。

うれしいことに、今日情報提供がありました。福桜王の肉がスーパーにならんでいると。

いつもコメント頂くushikaidaisukiさんからの情報です。とある消費者さんのつぶやきで、「福桜王の肉を食べた」とあったそうで、辿っていくと、宮崎市のながの屋にパックされて置いてあり、手に入れて食べられたそうです。「甘みもあり本当に旨かった」と感想を頂きました。

おおお、うれしい、情報提供とお買い上げ、ありがとうございます。生産者から消費者さんまでつながるラインですね。それも種牛からのラインですから、まさしく「王道」。感謝感謝です。

情報としては、0842522418 の高原町出身の子牛で、恐らく試験種付けし、後代検定牛に乗れなかった牛で、小林市場で一般セリ市にかかった牛のようです。検定牛一覧には載っていません。えびの市からの一般肥育出荷のようです。JA宮崎経済連HPではトレサで子牛登記書が出るようです。リンクで乗せておきます。生産履歴証明書も。宮崎牛のシールも貼ってありますね。

と、言うことは、検定牛もそろそろ肉屋さんに並ぶのかな?18頭が対象になってて、去勢12頭、メス6頭になっていますので、等級がつけば一般販売でしょうから、市場に出ていくことになると思います。ひょっとして、JAアトムにもならぶのかな?見つけた方は情報提供をお願いします。

いゃあ、こういう日が来るとは。それも極々限られた期間、数量の肉になってしまいますね。口にすることができるかな?プレミアはつかないでしょうが、貴重ですね。こうやって、ひとつのブログの中で、種牛生産から肉になるまで綴られることになるとは、なかなかないですね。いやはや嬉しい、感動です。田植えの疲れも吹っ飛びました。

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2012年6月17日 (日)

「福桜王」の現場後代検定の結果が出ました。

やっと出ました。福桜王の検定結果が。

平成19年8月31日に産まれた福桜王(当時は珀)でしたが、平成20年4月3日家畜改良事業団に買い上げされ、直接検定の結果、種雄牛として名を連ねた。しかし、口蹄疫の影響でやむなく殺処分され、短い命となった。しかし、現場後代検定として、残った子孫による検定結果が、今回出たのだった。

種牛を出して、最も楽しみな結果ではある半面、最も心配でドキドキする瞬間である。やはり付きまとうのは、「ひょっとして、見れないような結果」だったり、「事業団さんが肩を落とし、目を合わせなかったり」だったら、どーーーしよーーー見たいな感じです。それに、今回初めて枝肉とやらを目の当たりにする(シロートか?)ので、異常な緊張感と、白衣に包まれて、頭の中も真っシロ。促されるままゲートを幾重にもくぐり、目的地へ。1頭1頭、特徴を説明され、なるほどなるほどと聞いていると、「意外といいじゃん」みたいな感覚に。生産者という位置づけなので気を使って、良いように説明されてるのかなと思っていたのですが、確かにA5のハンコが押され、見たことのあるようないい断面。写真を撮ってゲートを戻り事務所へ。

結果が揃いましたと、結果表を渡されると、平均で、枝重479.4kg、ロース芯64.8cmBMS7.3・・・となかなかいい結果が揃っているではないですか。なんかホッとして、やっとこの時、肩の荷が下りた感じがしました。惜しいものもありますが、全体的にはいい結果であるとの講評でした。

牛wikiに結果表と、枝肉写真を添付

http://usi.cafe.coocan.jp/usi-wiki/?%E7%A6%8F%E6%A1%9C%E7%8E%8B

ここに至るまで、長い年月と、多くの方々のご協力で、福桜王という種雄牛の評価が出揃うことに大変感謝する次第です。御礼申し上げます。そして、種牛としての仕事はできませんでしたが、多くの経験をさせてくれた福桜王にも感謝です。

この結果が、この後に控えている彼らに、大きな影響力を与えることは必至で、今後賑やかになりそうです。

因みに、枝の断面に、あの測定器をあててデータの蓄積をしているとおっしゃっていました。オレイン酸測定機です、初めて見ました。ただ、それだけです。

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2012年2月15日 (水)

えみこ の出産2012

福桜王の えみこ が、出産しました。待望の・・・、でも、いろいろありました。今どきの育成ったら。

福桜王の試験交配で、事業団からの買い上げからもれた えみこ を、勢いで買い上げたのですが、登録も済ませ、やっと出産を迎えました。産室へ入るのは初めて。育成なので当たり前ですが久々に繋ぎから解放されてウキウキのようすでした。そして予定日より3日延びた2/6、昼過ぎから始まった陣痛。戸惑いながらもうろうろして、足が出てきて、いきむこと1時間で産んでくれました。流石に初めてなのでいきむのが弱かったですが、ちゃんと介助無しで産んでくれました。牛って偉いですね。産んだ瞬間は「何だこれ?」みたいに眺めていましたが、他の牛と同様に舐めてくれました。これで一安心、あとは初乳を飲むのを確認するだけだと思っていました。でも今回はここから違いました。

生まれた子は「福之国」の子で、35kgぐらい。足がすらっとしてそこそこ体高がある、福之国らしからぬ格好。結構いいカモ、って見ていると時機にヨロヨロしながら立ちあがってお乳を吸いに行くと、えみこったら何か嫌がるようす。足腰もまだまだ立たないうちに飲みに行くけど、えみこはグルグル土俵を回るように動いていく。何とか立ちあがって口を持っていっても動くのでお乳をくわえられない。何度やっても無理で、時にはえみこが角で小突いたり、くわえかかっているのを足で蹴り上げたりと、あきらかに嫌がっている感じ。何か嫌な予感。体力が時機についてきて立てるようになれば飲めるだろうと考えてたのですが、ちょっと今回は・・・。

飲めずに、疲れてひと眠りし、再度挑戦。えみこも落ち着いただろうと見ていると、やっぱり嫌がっている。買う時にJAの方が行ってた言葉が蘇ってきました。「この牛が小さいのは、手が掛けられず、養い方が足らないからだ」って言ってたこと。ということは、飼い主がえみこに対して、さすったり、撫でたり、揉んだり、といったコミュニケーションをしていないのだと直感した。メス牛は、繁殖向けに買われることがあるので、我が家では毎日撫でたり、お乳を揉んだりといったことをして、馴らしていくことをするので、嫌がったりはしないのだが、どうもえみこはお乳を吸われるのが嫌らしい。ヤンママなので「美乳がくずれるぅ」と言っているのかどうか分からないですが、確かにお乳は立派です。(そうじゃなくて)

かれこれ5時間。同じ繰り返しで見ている限りでは、1分も口にできない。元気が無く、そろそろやばいので、対処することに。ここ三股町では初乳バンクというのがあって、乳牛の初乳をストックしてあって、冷凍のペットボトルで売っています。これを買い置きしてあったので緊急処置として湯煎で溶かし哺乳瓶に入れてくわえさせるが・・・吸わないし飲まない。もう待ってる状態ではないので、投薬用の油サシの容器に入れて無理やり飲ませて、体力の回復するのを待つことに。ちょっと心配な予感ぁ~ん。

次の日、立ち上がれるがヨタヨタしてて、それでもお乳を飲むことは忘れていないし、諦めていないので近づいて行くのだが、えみこも舐めたりしていい感じではあるのですが、お乳になると全くダメ。らちが明かないので、えみこの指導を始める。このままでは、産まれた子は母乳は飲めず、代用乳を人からもらうことになり、大事な免疫を、そして母からの愛情と授乳という教育を受けれなくなる。それに母牛のえみこは、お産の度、毎回授乳をせず、お乳の張りに耐えることをしなければならなくなる。そして何より、私は毎回、高い代用乳を買って手間をかけて与え続けなければならない。・・・まっぴらゴメンだわ! というわけで、えみこの授乳指導となりました。

何とか立ち上がって飲みに行くタイミングを見て、えみこを掴んで立たせて、動いたら注意し、蹴ったりしたら叱って、時には叩いて、動かないことと蹴らないことを教え、とりあえず飲ませる。あまりきつくやると授乳自体を嫌がっては元も子もないので、程ほどに叱って、何度か、そして2日目で何とか授乳を受け入れるようになりました。たぶん飲ませることで、張ったお乳が楽になるのを感じていたのでしょうし、くわえることの痛みも慣れてきたのでしょう。まあ、飲ませているときに、産室の外から睨んで目を合わせていて、動くと声でしかることもしていましたので、効果があったのでしょう。もう1週間ほど経ちますが、飲ませるときにはしっかり立っています。

あのまま、飲ませないと判断し、代用乳に切り替えることも選択肢はあったのですが、いろんな事に禍根を残すので、子牛の生命力を信用してもいいのだと思った。結局家には、お産の次の日に買いに走った代用乳が、口を開けずに置いたままです。それに初乳バンクは切らしていて買えず、あの高い粉末初乳が追加で買い置きしてあります。

生まれた子は、血統が 福之国×福桜王×日向国×安平 で35kg程のメス。名前は「 いろどり 」です。元気に走り回って、私の膝の皿を砕く程の頭突きで困るくらいの勢いで成長しています。ヤンママからやんちゃが誕生です。

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えみこ!飲ませなさい!   ヤダ

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おい、のませろやっ。

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いやなんだもん!せっかくの美乳が

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「・・・・・・・・・・・・・・・!」

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はらへった~

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すっかり元気。

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産室を出て、元気に飛びまわっています。

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今では和解しています。

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ヒーターから追い出された いろどり と ヒーターの下に寝るえみこ。

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うまく下に入り込んだなぁ、て言うか・・・まあ、いいか。

2010年12月21日 (火)

福桜王の娘、えみこ が我が家へ

今年最後の12月セリ市には、大きな意味がありました。福桜王のメスが上場されるということ。最初で最後の・・・。

口蹄疫で殺処分された種雄牛49+1頭のうちの1頭である福桜王。試験交配で生まれた子牛が、選抜されて10月に後代検定で事業団とJAに買われて行きました。対象牛はオスメス合わせて15頭、内9頭は後代検定牛、残りの6頭は選抜外ということで、オス2頭、メス4頭はセリ上場ということでした。

選抜外ということで、当然発育・その他の要因で外された牛なので、見ても仕方が無いだろうと思いもしましたが、種牛がいないということは、種は市場に出回らないので、福桜王という血統の牛はもう見ることが無いと。ならば、今回しっかり見ておこうと、そして、「メスがいるということは連れて帰ることができる \(゚∇゚)/ 」。それが今回12月のセリ市でした。

オスは、11月と12月上旬に1頭ずつ上場し、価格はパッとしませんが、これがメスだったらと思う感じ。そして期待のメス、3日間の12月セリ市で、セリ名簿では初日2頭、2日目2頭の上場。初日分、ドキドキしながら見に行くと、いました福桜王の札を付けた牛が。ただ、確かに外された感が否めず、悩みながら辞退。それぞれ230kgで340千円と、255kgで347千円で落札されて行きました。なんか複雑な心境、残り2頭は次の日。

2日目、自分のセリもありましたので、旺を連れて行って手入れを済ませ、2頭を探しに行くと、1頭は一貫経営農家で欠場、もう1頭は・・・いました、これこそ最後の最後の1頭。でも確かに発育は明らかに遅めで貧弱な感じでしたが、体高はそこそこあり背線はしっかりしている。これだ、これしかない!でも役場に感触を聞くと「分からないでもないが、ちょっと」と難色。でも連れて帰る気満々なので、JA担当者さんに「買います、ボタン押し切りで!」とお願いし、事情も承知なので納得してもらいました。

自分のセリを終え、早々に購買者席に行き、セリを見守りました。会場に出てきて、セリスタート、229kgやはり小さいか?、金額はほどなく終了し、347千円と表示。私のホッとした心地よい心境の中、他の人の呆れた目線を気にせず、牛へと向かいました。

これで良かったのかどうか分かりませんが、我が家に福桜王という血統のメス牛が仲間入りし、繁殖することになりました。当然成績も分かりませんが、生体でメス牛がいるという事実が証明できたことがうれしい限りです。これも、口蹄疫の影響の一場面です。

名前は「えみこ」

血統は、福桜王×日向国×安平×福桜

平成22年2月10日生れ

セリ後計測 前高114、後高117、胸囲148、腹囲170cm

りんりんという母親の初産

今は、おばあちゃんの「たかもり」と一緒に、我が家の一員です。

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お腹周りが若干貧弱、でもこれからしっかり養える範囲。

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運動場走りまくり、いきいきしてる。

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楽しそうにみんなと走る。

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エサもバクバク、性格もおとなしい、撫でてあげるとじっとしてる。今まで撫でられてない様子で、少しオドオドしてる。すぐに慣れてくるでしょう。 

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