カテゴリー「BLV(牛白血病)」の9件の記事

2017年7月11日 (火)

BLV(牛白血病)がん免疫薬で予防?

6月のある日、

「 北大、治療法ない牛白血病をがん免疫薬で予防 

という日経新聞電子版の記事が回ってきました。
Blv

人のがんなどの治療に使うがん免疫薬の仕組みを応用したもので、
治療法がない感染症の予防薬として実用化を目指す。

と書かれています。
でも、多くは語られておらずソース元も無いため気になっていました。

そこで色々と調べてみると、出てきました元情報の論文が。


2017年4月27日付 
牛難治性疾病の制御に応用できる免疫チェックポイント阻害薬 (抗PD-L1抗体)の開発にはじめて成功

2017年6月7日付 牛難治性疾病の制御に応用できる免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体)を,抗PD-L1抗体薬に続き開発

この2つがセットになっています。
内容はと言いますと、かなーり難しいのですが、

ウイルスによって免疫力を抑制されたものを、この免疫チェックポイント阻害薬で再活性化し、生体内でウイルス量を減らす。

というものらしい。
免疫チェックポイント?、T細胞?、阻害薬?、どこかで聞いたことないでしょうか。

あの、がん治療薬の最先端の薬品「オプジーボ」 

T細胞にかかったブレーキが外され、T細胞は活性を取り戻して、再びがん細胞を攻撃できるようになり、がんの治療として保険適用になったという話。
高額な薬品だけど、数万円で治療できると期待されてますね。

要は、この仕組みを牛の細胞に適用できるようになったというのがこの記事で、結果してBLVウイルスやその他の難治性疾病に適用しうるというものです。

むかーしのCMで「臭いにおいは元から立たなきゃダメ!」とありましたが、正にそれですね。

今夏より実証試験を開始するとしています。
気になるのは、その効果と食肉としての適応ですね。
牛白血病を発症したものは無理としても、BLVに感染している牛への治療・発症抑制・ウイルスの極少化、ですかね。
そして、ワクチン化しての感染抑制でしょうか。
いろいろ考えられますね。

ただ、後はお金の問題。
はたして、経済動物への医薬品として採算が合うところまで抑えられるのか、ココが大きなキーになるのは必至です。

そして、重要なのは、この記事で農家さんが受けた印象は
「なんだ、BLって治療できる病気になったてことじゃん

となってはまずいですね。
まだまだ開発段階ですし、数万円もしたら多頭には意味は無いですから、感染を抑制して抑制して、最後の所で使うようにしていかないといけないですね。

ま、どちらにしても、今後の開発が期待されることは間違いないですね。

2017年6月27日 (火)

BLV(牛白血病)食肉衛生検査所での病理検査。

牛はと畜後、牛肉として店頭に並ぶ前に、食肉衛生検査所で様々な検査が行われます。
そこで食用として検査合格したものだけが、出荷されます。

ここでは、異常が認められたものの内、牛白血病が疑われたものについて、その検査過程を記事にされています。

当然、牛白血病として診断されたものは、内臓も含めて全て廃棄となります。
食用として出回らないよう、ここの検査所の方々が食い止めているんですね。

宮崎県の職員のブログで、小林食肉衛生検査所の方の現場の記事です。

参考までにリンクさせていただきます。

病(やまい)の理(ことわり)を読み解く仕事

https://blogs.yahoo.co.jp/miyazaki_prefecture/27900207.html

2017年5月13日 (土)

BLV(牛白血病)の再検査でも陰性でした。

これで、BLV(牛白血病)は完全フリーになりました。

完璧な清浄化が達成です。

今年の1月に全頭検査し、全て陰性を確認できていました。
これで清浄化は達成なのですが、1頭だけ10月に外部導入しており、導入直前に感染している場合、抗体が上がってこないこともありうると。しかし、導入から2カ月経つので判別できるのでは、との回答でした。
ですが、念には念を入れたいので、この牛だけ再検査しました。

結果、3月31日採血の、4月5日付で「陰性」の検査結果でした。

これで、安心して牛と接することができますし、自信をもってセリに出せます。

Blv

2017年4月15日 (土)

BLV(牛白血病)エライザ検査法とは

エライザ(ELISA)検査法について調べてみた。

BLVに感染しているかどうかを検査するのに、牛から採血して家畜保健衛生所(家保)へ持ち込み検査してもらうのですが、実際どのような検査方法を用いて判断されてるのか分からなかった。
なので、ぜひ「検査しているところを見せてほしい」とお願いしたが、却下された。
というか、色々な病気を持ち込むところなので、あまり飼い主は立ち入らない方がいい、という安全面を考慮してだった。それと、見てても時間がかかり待つことになるので、お勧めしないというものでした。

ですが、説明には来れるということでしたので、ぜひお願いしてちょっとした勉強会となりました。

メンバーは、家保、普及センター、役場、そして私とお隣の牛飼いさんで。

それで、家保で実際にBLVの検査には「エライザ(ELISA)キット」というものをつかうそうだ。
ネットでもいろいろ調べているうちによく目にする名前です。

ざっくりと超~簡単に説明すると、

「BLVウイルスを発色させてその発色の強さで判定する」

というものです。下の写真に詳しく書かれています
(1)まず、96ウェルという穴の中にBLウイルスが張り付けてあるプレートを用意する。
(2)そこに、採血した希釈血液を流しこむと、含まれる抗体がウイルスとくっつく。
(3)そこに標識体を流し込み、抗体と標識体をくっつける。
(4)そこに発色基質を流し込み、標識体と発色基質とをくっつける。
(5)採血した血液に、抗体が含まれていれば強く発色するので、その度合いを、機械で定量測定し判定する。

という原理で、ひとつのプレートで44頭もの検査ができるそうだ。
ただ、各手順ごとの反応に30分、そして洗浄の時間がかかり、数時間は検査にかかるようです。最後に機械で判定するところは数分らしいですが、その前段が手間ですね。

精度は高いそうですが、感染直後の場合抗体か少ないため、発色が弱くなり検出できないそうです。なので、6カ月未満の子牛や、導入直後の牛は検出できない、または再検査を要するようです。ということで、キット化されていて手順も簡潔で分かりやすく、はっきりと白黒が判定されるそうです。
プレートを用意すれば、45頭以上でも測定は出来るようです。
なので、手順が分かり、検査要員さえ確保できればスピードは確保できるようですし、外注して家保以外でも検査は可能なようです。

しかし、ボトルネックは、やはり現場での採血の時間ですね。
全頭採血となると、結構手間暇かかり、ストレスでゴタゴタありそうですので、気を付けないといけないところですね。

因みに、このエライザ法は白黒つける分にはいいですが、抗体数が上がっていてリスクの高い牛を判定するのには向いていないようです。
こちらでは、宮崎大学で有料(数千円)ですがPCR法でも検査してくれるそうです。
これだと、感染している牛でも、高リスク牛と低リスク牛とに分けて判定するそうです。これだと、廃用や肥育向けの判断に利用できますね。


ということで、今回はエライザ(ELISA)検査法でした。
何分素人なもので、間違った表現もあるかもしれませんので、その際はご指摘ください。
また、補足が必要な時は、コメントでお願いします。

今回ご説明頂いた家保のSさんありがとうございました。

Blv1


Blv2


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2017年3月21日 (火)

BLV(牛白血病)清浄化を民間の力で。

そもそも、BLVに感染しているかどうかの検査を、公的機関の家畜保健衛生所=(家保)で行っているが、民間の獣医師のいる診療所等ではできないのだろうか?

先の記事で、法的位置づけについて書いてみたが、感染力が弱いせいかどうかわからないが、法律的には明確な対処法は書かれていない。
家畜伝染病予防法施行規則=(施行規則)に、牛白血病は「伝染性疾病」、として位置づけられているだけである。
そして、家畜伝染病予防法=(予防法)の第4条に、「届出伝染病」として定義され、知事に届けなければならないのは周知の事実。

ですが、それらは牛白血病を発症した牛の場合であって、BLVに感染している牛の取り扱いは、牛白血病に関する衛生対策ガイドライン=(ガイドライン)に則ることとなってます。
その(ガイドライン)には、
「清浄化には、家保の職員、獣医師、家畜人工授精師、関係機関等と協力し て、計画的に進める必要がある。」
と記されているが、家保が検査をすること、とは謳っていないです。
公的機関である家保が検査するのが最も良いことは分かりますが、人的余力があるかと言えば、それはNoだと思う。本病の増加が止められない今、検査そして清浄化へと取り組むには、スムーズな検査があってこそ、増加が止められることと思う。

こういう時こそ、民間の力を使うことは当然だと思う。というか、民間でもできることを、公的機関だけがするよう縛っているのは、一種の民業圧迫ではないだろうか。
(どこかに、家保が検査すること、と謳っているのかな?)

同じ機材、同じ検査方法、同種の検査キット、そして家保と同程度の知識、技術力を備えた優秀な人材は民間には多く存在する(と思う)。それに、折しも団塊世代の定年を迎えた獣医師もいるのではないだろうか。

BLV清浄化プログラムとして、検査-清浄化計画-更新実施-歯止策、と一連のアドバイスをする民間の団体があってもいいのではないだろうか。
当然、家保の承認や認可関係は必要になるだろう。
特に、この更新実施と歯止策に関しては、家保としては何もできないが、民間だと、感染牛の肥育向け販売や、BLフリーの繁殖牛の斡旋などにも対応ができるのではないだろうか。

国は、検査と感染対策に関しては補助金を工面できるが、それ以上の手立てができないでいるように見受ける。
先の記事にも書いたように、牛自体の更新もなじまない。
であれば、こういった民間団体の検査機器や人件費や防疫資機材への補助金の投入は可能なのではないだろうか。

今正に喫緊の課題である増加を止め、更には国全体のBLフリー化への道筋ができるのではないのだろうか。

ここらで、BLVの清浄化対策に、民間の力を投入するときだと思いますが、いかがでしょう。

2017年3月 2日 (木)

BLV(牛白血病)の法的位置付け。

どうしても、口蹄疫の影響が大きかったせいか、牛白血病としての清浄化について殺処分など同様に考えてしまうきらいが今でもある。
なので、大元の法的な位置付けについてみてみた。

対象となる法律が

とりあえず、この(予防法)の目的をおさえておきます。

(目的)
「この法律は、家畜の伝染性疾病(寄生虫病を含む。)の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図ることを目的とする。」
とされてます。

(家畜伝染病の定義)ですが、牛に限っていえば、
  • 牛疫
  • 牛肺疫
  • 口蹄疫
  • 伝達性海綿状脳症(BSE)
と、15項目がありますが、牛白血病はありません

そこで、「患畜」とは、この家畜伝染病にかかっている牛をいい、
「疑似患畜」とは、この家畜伝染病にかかっている疑いがある、又は触れた疑いがある牛をいいます。

そして、この患畜は(予防法)の第16条で、「所有者は、直ちに、殺さなければならない。」と義務付けされています。
更に、(予防法)の第17条で、「知事が、まん延防止のため、患畜を殺処分することを命ずることができる。」とし、
疑似患畜については、「大臣が、まん延防止のため、殺処分の指定をし、知事が、疑似患畜も殺処分することを命ずることができる。」
とされています。



一方、牛白血病はというと、施行規則に「伝染性疾病」として定義されています。

(伝染性疾病)は、牛に限っていえば、
  • ブルーダング
  • アカバネ病
  • 悪性カタル熱
  • チュウザン病
  • 牛白血病
と、22項目が定義されています。

(届出義務)「届出伝染病」
その伝染性疾病に「かかっている、又はかかっている疑いがあることを発見した場合は、獣医師が知事に届けなければならない」、として(予防法)の第4条に規定されています。

ですが、牛白血病にかかった牛のその後の扱いについては、(予防法)(施行令)(施行規則)共に、何ら具体的には明記されていないですね。

因みに、この「かかっている、又はかかっている疑い」とありますが、この「かかる」は「罹る」と書きますので、「発症している、又は症状を呈している」という意味で捉えられると思います。
ということは、BLVに感染している状態ではないということだと思います。

じゃぁ、牛白血病としての扱いはというと、先に書いた(管理基準)と(ガイドライン)に行きつきます。
家畜としての健康状態を常に監視し、異常があったら即座に対応するよう書かれた(管理基準)。
そして、その中でも経済的影響が大きく、感染の拡大を止められない牛白血病は喫緊の課題であり、それを(ガイドライン)として定められているようです。



まとめますと、

家畜伝染病、としての口蹄疫。

伝染性疾病、としての牛白血病。

と分けて管理されています。空気感染をする口蹄疫の、その感染力の強さとは、明らかにレベルの違いがあるのだと思われます。


そして、それを象徴するように、患畜だけでなく疑似患畜という「触れた疑いがある」というところまでターゲットにしている点。
更には、所有者の意思には関係なく、大臣及び知事名で殺処分まで命ずることができる点は大きいですね。
所有者の、家畜という財産を奪うという意味では、収用法的な意味合いを持つようです。
患畜、疑似患畜という診断を受けた段階から、家畜としての資産価値を失いますので、その損失補てん金は必要ですね。


そう思うと、牛白血病は何らかの媒体を通じて、BLウイルスを含む血液を介さない限り、感染はしないし、発症もしないという点では、ややレベルは低く管理できる範囲と思われます。
発症すれば廃棄処理の為、資産価値は失われますが、BLVに感染しても数年間は通常の繁殖もできますし、肥育して肉としての販売も可能なので、家畜としての資産価値は十分あります。
口蹄疫のように、清浄化の名目のもと殺処分して損失補てん金を充てるという考え方は、BLV(牛白血病)の清浄化にはそぐわないですね。


ということで、
ざっくり書きましたが、口蹄疫と牛白血病とを、法律の上で同列に扱うことには、かなり無理がありますね。

やはり農家単位で、地道に淘汰・更新と、水平・垂直感染を防ぎながら、清浄化を進めるべきと思います。


因みに、現在口蹄疫が侵入して、殺処分となった場合、その患畜および疑似患畜の殺処分での損失補てん金は、「手当金」として支払われます。
その金額は、(家畜の評価額の最高限度額)として、牛にあっては95万円、と平成28年9月14日付改正の(施行令)第8条に明記されています。

2017年1月13日 (金)

BLV(牛白血病)の検査結果が出ました。

BLV検査結果、全頭陰性でした。

昨年末、「検査しよ!」と意を決してJA担当に連絡し、事が運びました。
もともと、牛の栄養状態の検査の件で普及センターが採血に来ることが決まってて、そのついでにお願いしました。

最初に説明をするということで、家畜保健衛生所と普及センターとでBL検査についていろいろと説明を受けました。検査結果後の隔離方法や更新・廃用の件など。
結局ここで、この検査の実態を知り、その後の対応を苦慮し、断念するのがほとんどらしいです。やはり重い決断ですよね。
私は、「成るようにしか成らん」、と思っていたので躊躇なく依頼しました。

そして12月19日に、共済の獣医師2名と普及センターとJA担当とで全頭採血。
検査に1~2週間はかかるということなので、後は結果を待つのみ。

12月27日家畜保健衛生所より電話、「全頭陰性です。」と連絡をもらいました。
正直ホッとしましたね。
検査結果は後日共済宛に送るということでした。

そして、1月12日に検査結果が届いたということなので、もらってきました。
書類で見ると、やはり実感がわきますね。

ということで、
母牛12頭、育成牛1頭、子牛3頭の計16頭の検査結果が「陰性」と出ました。

これから出荷する牛はBLフリーとして出すことができるようになりました。
但し、そのように表示する場所はありません。実に残念ですね。

因みに子牛の検査は通常はしませんが、垂直又は水平感染の具合が分かるかもしれないと思い、相談の結果盛り込みました。但し、1~3月出荷の月齢の高いもののみです。
他の若齢の子牛はしていませんし、結果して不要でしたね。

Blv1

Blv3

2017年1月 4日 (水)

BLV(牛白血病)の清浄化対策。

この対策について、個人的な意見としてまとめてみた。

「この問題は大きすぎて、国が方向性を示してもらわないと・・・」
「廃用するのに、補助金も無いのじゃ次の牛が買えんわ・・・」

と言ったことが、ほぼ確実に聞こえてきます。
もう既に、思考停止状態です。
お金が無いと動けない。補助金政策にどっぷりつかっている証拠です。

国は、今回ガイドラインを示した以上、これ以上の関与はしてこないものと思い
後は農家が主体となって、地道に更新していってくれ、といった感じだと思います。
結局、牛はその農家の資産であるので、それに何か不具合があろうとも、その責任は農家側の所要者責任になる。
それを更新するのなら、それは農家の資産価値を上げることなので、当然そんなことに税金は使えない。
それに、国が主導で一斉に更新してこのウイルスを撲滅しないと、畜産業界が崩壊する、といった緊急性も無いですね。

但し、産地としての価値を上げるために一斉に淘汰する、という考え方もありますが、そこにも国税としては使いにくいので、個々でお金を出し合って基金を積んで手当てしているのが現状のようです。
個々の経済損失はあっても、それを地道にケアしていく方が賢明だと思われます。


ということで、以下の点について対策すべきだと思います。

1、情報の公開

2、感染牛の流通

3、清浄化農場の認定証

4、教育、勉強会

5、オプション



[1、情報の公開]

 いろいろ調べてみて、かなりの数の農場の牛が感染していることが分かりますね。それが年々広がっているというから問題になっているんですよね。
全体の3割もの牛が感染しているということは、もう既に常在感染ということ。
セリ場で見てみると、風邪をひいて熱を出してる牛よりも多いということになります。
だったら、検査して感染しているのならそれを告知して流通しても問題ないはずです。

「そんなのしたら、風評被害で農場の牛全部が感染扱いにされるやん」

と聞こえそうです。
でも、今まで情報を隠ぺいしてたので、発症した時に農場全体が感染扱いにされてたんです。
情報を正しく公開すれば、牛単位の感染扱いになるので、逆に正常牛が認知されることになります。

今まで、腫物を触るかのように、この情報を扱ってたので、かえって警戒心を生んでいるのだと思います。

ちゃんと検査を受け、感染牛の情報を公開し、清浄化を図る農家に、メリットがいく、体制にしないといけないと思う。


[2、感染牛の流通]

 これが最も頭を悩ますことです。
重要なのは、感染牛を通常の流通に流し、自然な更新で淘汰していくことです。

BLフリーな産地化を目指すと、そこには清浄化の名のもと、無理な淘汰・更新が必要になってきます。そうなると当然のように補償という名のお金が必要になってきて、基金を積まなければならなくなります。
肉牛ジャーナルで紹介されている、宮崎県西臼杵地区の例でも、「補償金の設定に相当な苦労があった」としている。更には、「万を超える母牛のいる産地では、極めて困難だろう」と、その苦労を書かれています。

じゃぁ、どうするか。

感染していることを告知して、普通にセリに上場する。
落札時のセリ値の1割を、生産者から購買者へ返金する。
補助金、補償金は使わない。

これだけです。
感染牛なので、当然繁殖には向かないので、肥育向けです。
じゃぁ、「肥育中に発症したら損失が出るやん」、となります。その時は当然損失が出ます。
ですが、発症の確率は前記事にも書いたように5%以下。100頭中5頭以下なので、それ以外の感染牛は肥育後、通常の値段で出荷ができます。それも、1割引で購入した牛ですので、発症した牛の損失分は、かなりの部分カバーできることになります。

生産者側ですが、1割も少なくなれば不満も出ましょう。でも、この牛を出すことによって、農場自体の評価が上がります。それに、他の牛に感染する確率が確実に下がりますので手間も減ることになります。
そもそも、清浄化の道筋の中で、通常通りセリに出せるということは、牛の状態や年齢、血統によっては、ある程度の値段になるのでは、と思っています。

ということをベースに考えると。

子牛の場合は、通常通りセリに上場し、落札金額の1割を生産者から購買者へ返金します。相場にもよりますが、1割引きでの素牛購入にはニーズがあるのではないかなと思います。

次に経産牛ですが、年齢とともに発症のリスクは高くなってきます。
なので、返金の割合を年齢ごとに上げていくのがいいのではと思っています。
例えば、3才が1.2割、4才が1.4割と。リスクと金額とのバランスが必要かなと思います。
但し、いつ感染したかは分からないので問えません。

しかし、通常通りセリに出しても、購買者が無くセリが成立しないかもしれません。
その場合、最低落札価格を設定して、成立しない場合、またはこの金額に届かない場合は、JAにてこの金額で買い取るようにします。
最低落札価格をいくらにするかは検討の余地がありますが、告知してセリに出せば買い取ってもらえる、という生産者側の安心感が出ます。
このことが、清浄化を後押しする大きな機運になることと思います。

補助金や補償金がチラつくと、それをあてに牛が動きますが、お金が無くなると動かなくなり、清浄化した農場もまた戻ることになるでしょう。
基金を農家から募っても、農場毎にメリット・デメリットがあるので、これこそ無理があり、支払い基準や、残金の精算など、公平性に更に頭を悩ます結果となります。
お金の使い方には、ここではよくよく考えないといけないなと思います。


[3、清浄化農場の認定証]

口蹄疫やBSEでは、国又は地域単位で清浄化が達成できれば、一定期間の後、OIE(国際獣疫事務局)がステータスの認定を行っています。
例えば、口蹄疫であれば、日本は 「ワクチン非接種清浄国」 と認定されています。
また、BSEでは 「無視できるリスク国」 と認定されています。
これは、OIEのような第3者機関がステータスを認定することで、 国際的な輸出品の安全性の指標になってます。

現在、BLVの検査を家畜保健衛生所で行っていて、獣医師からの依頼で検査を行い、結果は獣医師宛に出るようです。

それで、清浄化に取り組んだ結果、全頭陰性になって清浄化が達成されても、検査結果が獣医師に「陰性」と出るだけらしいです。

生産農家にとって、このBLVの清浄化って、相当重い決断の元実施しているのに、達成しても誰も認めてくれないのが現状のようです。

先に述べたOIEのような第3者機関が、清浄化達成した農家を、「清浄化農場」として認定証を出してほしいです。それがあることで、達成した実感がわきますし、その農場の評価が上がるし、何より清浄化を継続するモチベーションにもなり、防疫意識の向上につながります。
第3者として、家畜保健衛生所でも、普及センターでも、県でもいいので、認定証を出してほしいですね。


[4、教育、勉強会]

とある会議の中でBLの話が出たんですが、感染した牛と発症した牛の話がごっちゃになってて、区別がつかなくなることがあり、まだまだこのBLVの認知度が低くいと思いました。

それに、こちら宮崎では口蹄疫がありましたので、「感染」と名が付くものには敏感で、近寄りがたさを感じます。中には初めて聞いた、また広がるのか、みたいなこともありますね。

確かに行政側としては、都度情報誌などで注意喚起をしているものと思います。
ですが、身近にその事例が見当たらないので、実感がわかないですし、話をすることも無いです。
これは、具体的事例が無く、危機感が感じられないからだと思います。
やはり、もっとことあるごとに勉強会を開いて、感染率や発症したときの事例や実際に検査を受けたとこの事例などをあげて、身近な問題であるということを広めないといけないと思う。

自身の農場がリスクの根源のひとつである、ということを認知してもらう必要があると思います。
そして、少しでも早く清浄化へ向けた取り組みに乗り出してほしいですね。


[5、オプション]

告知して流通するのであれば、当然いろいろと違う動きが必要になってきます。

セリ場での感染を防ぐために、日や時間をずらしたり、繋ぎ場を別にしたり遮蔽するネットを設置したりで、追加の費用が必要になることもある。
また、運搬時に遮蔽するネットが必要だったり、別便になったりで追加の運搬経費もいるかもしれません。
こういう清浄化へ向けた取り組みを支援するところには、補助金を充てることができるのではないかなと思います。
先に、補助金は使わない、としましたが、こういう流通経費の部分は清浄化を促すことになるので、是非予算化をしてほしいと思います。


清浄化を達成した農場とそうでない農場との差別化を図る必要があると思います。

清浄化には、かなりの無理を強いる場合もあり、農場としてはダメージは計り知れません。
それを後押しする意味でも、あらゆる補助金の対象範囲に、優遇処置があってもいいのではないかなと思います。


簡易検査キットなるものが、あらゆるところから販売されてます。

現在は、清浄化を目的とした検査を家畜保健衛生所で実施してます。これが公式検査なので必要なのですが、現場の実態としては、検査だけして絶対数を把握したい、というのが本音ですね。
この検査キットを活用した「検査だけ」を、奨励していくのがいいと思います。経費の算定や、農場の決断や、市場の取り扱いの判断にも使えます。
これを認めてもらえれば、もっとスムーズに動けるような気がします。
ここにも補助金としての活用範囲があるのではないかなと思います。


[まとめ]

いろいろ書いてきましたが、基本はこのまま増えていく一方のBLV感染牛を止め、そして減らしていく。
最終的には、肥育農家さんでの発症をゼロにしていく取り組みです。
一刻も早く、一農場だけでも早く、清浄化へ向けて進んでほしいですね。

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ここに書いたことが、全て正しいとは思いません。
あくまで私個人の意見と思ってください。
ただ、あちこちの公開されている資料に目を通しても、どこもここまで具体的に、そして突っ込んだ書き方はしてありません。淘汰の方法、流通する方法、公開または非公開がいいのかなど。「清浄化しましょう」と書いてお茶を濁して終わりです。

なので、少し乱暴で、不快に思われた関係者方々もおられたことと思います。
ですが、無駄になるかもしれませんが、どなたかの一助になればと思います。
長文失礼しました。


ご意見等ありましたら、ここへコメントして下さい。
よろしくお願いします。

2016年12月22日 (木)

BLV(牛白血病)について調べてみた。

BLVとはBovine leukemia virusで、牛白血病ウイルスのことです。
これに感染しても、牛の体調に異常は見られませんが、数年経ったある時、牛白血病を発症し死に至ります。
潜伏期間が永く、そして症状を見せないので、気付かないのがほとんどですが、感染した牛の内の数%が、牛白血病を発症するので、牛飼いにとっては厄介です。
牛白血病を発症した牛は、全て廃棄となるので、損失は甚大です。
そして、ここ最近、そのウイルスに感染した牛が、知らず知らずの内に、広がりつつあります。
肉用牛の繁殖を担っている以上、見逃せない事態ですので、色々調べてみました。

はっきりしていることは、発症した牛は全廃棄されるため、食肉としては出回らないということです。



[現状]
実際の陽性率は、乳用牛で40.9%、肉用繁殖牛で28.7%である。(H21-23農水省)
全国での調査の結果、約3割が感染牛である。

その感染牛の内、数%(5%以下)が牛白血病を発症する。
全体の頭数で見ると、肉用繁殖牛では、1.4%以下の発症率になる。

例えば、1日のセリ頭数が400頭だとすると、114頭が感染していて、
その内、109頭は問題なく飼育される。
しかし、内5頭以下が発症することになる。
但し、潜伏期間が永く、発症年齢も4才位~という報告もあり、肥育期間では発症しないケースがほとんどと思われます。

それに、発症のトリガーになるものがよく分からない。
恐らく、飼育環境や栄養状態、気候・人的・牛群などの色々なストレスが、それに当たると思いますので、農場によって発症のリスクは異なると思われます。

[治療・ワクチン]
治療方法は無いそうです。ワクチンも同じ。


[症状]
感染牛は無症状です。

発症した牛は、眼球突出、リンパ節の腫れ、削痩、元気喪失、食欲不振だそうで、乳量減少、下痢し、死に至るそうです。

[報告]
感染牛は報告は不要です。

発症牛は、家畜伝染病予防法の届出伝染病に規定されているので、届け出が必要です。

[感染]
感染経路は様々で、母子による垂直感染、介在動物や人為的による水平感染などである。
詳しくは、リンク先の参考資料にたくさん出てます。


以上が概要です。
読んだだけでは分からないので、家保(家畜保健衛生所)の方に直接聞いてみました。

都城家畜保健衛生所(担当エリアは都城地域と西諸地域)
・実際に検査を受けられているのは、少ないそうで、検査後の清浄化の話を聞いてやめるところもあるらしい。
・検査費用は家保で負担するので農家は不要だが、獣医が採血をするのでその採血費用を負担する必要がある。
・検査は、その後の清浄化を実施することが目的なので、調査だけの検査はしない。
・清浄化の主体は農家にあって、それを補助して実施に導くのが獣医。そして、それを助言したりサポートしたりするのが家保やJAや自治体の関係機関となる。あくまで農家主体で実施されるものである。
・検査は全頭であるが、子牛は含めない。繁殖向けのメス子牛なら検査した方がよい。但し、6カ月以上でないと判明できないらしい。
・検査は採血によって行われる。
・検査結果は、1~2週間で判明する。
・検査した結果について、販売などの流通させる場合の公表について、現在は必要無い。
 公表しなければならないという規定もなく、逆にしなくてもいいという規定もないそうである。実際の市場の約3割の子牛が感染していることをみれば、あえて公表し評価を下げる必要は無いのが現状でしょうと。
・検査方法は、1回目の検査で出た結果に応じて、1~2カ月後に再度清浄牛のみを2回目の検査として実施する。これを秋冬にかけて実施し、感染牛を確定し、清浄化へ向けた更新を図る。そして1年後に再再度検査を実施する。
・検査結果について、清浄化されたとみなされても、1年毎の検査は必要となる。
・清浄化されたことについて、「認定」という証明は出ない。
・清浄化へ向けて、感染牛の淘汰、更新に対し、補償は無い。但し、発症した牛は、共済へ加入していれば、通常の死亡や全廃棄として、共済金が出る。
・県としての取り組みは、現在検討に入ったところ。


次いで
都城地区農業共済組合にも聞いてみた。

H27年5月1日から、と畜場で牛白血病と診断され、全廃棄となった場合も共済金の支払いの対象になったことは、周知の事実ですね。
今までは、農場で牛白血病と診断された場合のみ、共済事故として支払い対象となっていたものに追加になったというもの。

とは言っても、実際にどれくらいの支払いがあるのか確認したら、通常の死亡事故と同じだった。
   その年度の評価額 × 付保割合 = 支払共済金

だそうです。
注意したいのは、感染牛の扱いですが、清浄化を進めるにあたりBLVに感染したからと言って、共済事故扱いにはならないということ。
それに、感染しているからと言って評価額が変わることも無いそうです。
なので、発症していなければ、病畜ではないということ。

因みに、感染牛を、清浄化を目的にと畜することは、問題ないそうです。
但し、支払共済金も出ませんので、肉代のみとなります。


最後に、
市場を管理運営する、JA都城にも確認しました。

まだまだ検討段階の為、明快な方向性は示せてないのが現状。
発症した場合の対応は従来通りある。
しかし、市場取引後の感染が判明したものについては対応しない。
といったことで、今後に期待です。

以上、個人的に調べてみた内容です。
以下に参考リンク先を明記していますが、ほとんどが研究論文ばかりで、「じゃあ清浄化ってどうするの?」といったことには、全く触れられていません。

なので、次回に私的検討した結果を記事にしていきたいと思います。


[参考文献]
・農水省 牛白血病に関する情報

 「牛白血病とは」pdf

 「牛白血病に関する衛生対策ガイドライン」pdf
  ※国はこれを出したことによって、検査や防疫するところには予算化するけど、後は個々人での対応です、と言っているようなものです。
   国がまとめて対策するとか補償するとか、期待しないと思った方がいいです。
   とりあえず、これは必読です。

 「(独)農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所 」リンク
  ※牛白血病の発生状況の詳細件数が出てます。

 「地方病性白血病(EBL)の清浄化に向けて(中央畜産会作成)」pdf

・鹿児島大学 
 「牛白血病の概要」PPT、クリックするとダウンロードします。
 ※難しいウイルスの話ですが、感染の度合いの高いもの低いもの、垂直感染の感染率、が書かれていて参考になる。

・肉牛ジャーナル2016 11月号
 「産地の生き残りをかけた牛白血病対策による差別化」HP
 「同Facebookページ」FBで一部が見れます。

・学術シンポジウム 北海道大学
 「増加傾向にある牛白血病の現状と対策~診療現場からの声に対して~」pdf
 ※人との関係や、感染の事例など多岐にわたる。

・日本農業新聞2016 12月22日
 「清浄化へ隔離飼育」岩手大学の取り組み。
 ※この記事を書いてるの同時に掲載されましたね。タイムリーです。


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眼球突出はかわいそう。リンパ節の腫れも、見れば分かりそう。


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ウイルスは非常に弱く、簡単な消毒で可能。

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