カテゴリー「BLV(牛白血病)」の13件の記事

2018年9月 8日 (土)

凍結保存容器(LN2液化窒素用ボンベ)

通称「ボンベ」

牛の繁殖子牛生産の現場においては無くてはならない物です。
中には種雄牛の精液がストローに充填され、液体窒素で凍結保存されています。
また、母牛から採取した受精卵を保存するのにも使用されます。

中には液化窒素が充填され、温度はマイナス196℃(-195.8℃)になります。
というか、正確には沸点がこの温度なので、これ以上の温度の物や空気に触れると蒸発(気化)してしまいます。
蒸発(気化)すると、646倍(0℃)に膨張するようです。

温度で気を付けないといけないのは凍傷。
蒸発することで気を付けなければいけないのは酸欠。密閉した部屋や車の中だと、転倒した場合に急激に室内の空気が窒素に置換され酸欠になります。
それと、膨張することで気を付けなければいけないのは、ボンベの破裂(爆発)。ボンベ内でも常に蒸発しているので、ボンベ自体を完全に密閉してしまうことは大変キケンです。

そんなボンベ、昨年(2017)購入しました。

メーカーも種類もいろいろあります。
私は、クライオワンのDR-17という製品にしました。

選定の基準となる項目には色々ありますが、以下のものが主になるのではないでしょうか。

(1)収納本数
(2)再充填期間
ですかね。

(1)収納本数(DR-17の場合)
 精液ストロー0.5ccが600本、または0.25cc(受精卵用)が1140本となっています。
 収納にはキャニスターという筒状の容器があって、そこにストローを入れます。
 そのキャニスターが6本セットできるようになっています。
 なので、0.5ccのストローなら一つのキャニスターに100本入る計算です。
 ですが、そのキャニスターには更に4区画に分ける仕切りをオプションで入れることができます(写真)。そうなるとこの本数は無理かもしれないですね。
 因みに、このキャニスター、底穴有と無しがあるそうで、私は穴無しにしました。
 引き上げたときに液化窒素に浸かったままか、そうでないかの違いになります。
 確かに浸かったままだと見にくいんですけど、安心感がありますね。


(2)再充填期間
これは、購入後のメンテナンスに大きく影響します。
ある人は毎月充填日を決めてるとか。
ある人は気がついたら空っぽ寸前だったとか。
液化窒素は常に沸騰(気化)していますので、何もしなくても、全く開けなくても、自然に無くなっていきます。
私のDR-17の場合は、
再充填期間:59日となっています。約2か月は入れなくていいのかな?
これ以外に、保持日数があって
保持日数:95日となっています。空になるのに3ヶ月ってこと?

取扱説明書では、容器の全内容量の1/3~1/4に減った時に再充填するのが望ましい、と書かれています。
じゃあ、どうやって測るの?と言ったら、専用のゲージが付いています。
ただのプラスチック製の物差しですが、これを底に着くまでゆっくり差し込み、10秒ほどで出します。すると、液化窒素に浸かった部分のみに霜が付いて底からの残量が分かります。
満杯時の液量が31.4cm
1/3残容量時が10.5cm
1/4残容量時が7.9cm
なので、10cmを下回ったら要注意、8cmを下回ったらレッドラインといったところが、運用基準でしょうかね。
因みに、僅かでも残っていれば内部温度は-180℃に保たれるそうです。
しかし、ホントに残量0の場合、10数時間で-100℃に達し、更に上昇し続けるそうです。

で、実際1年間運用してみた結果は以下の通りです。
初回の充填をして以降、8回再充填しています。

8/22       初回充填量20.3ℓ、金額5,480円
~8/27 370日、総充填量73.9ℓ、再充填金額19,930円

となり、一年間で2万円のメンテナンス代がいることが分かります。

1日の損失量を計算してみると、0.2ℓ(0.1997ℓ)になります。
全て無くなるには、101日になりますので、保持日数95日通りですね。

気になるのは、夏場と冬場での損失量に違いがあるのかですが、表を見ると、

夏場は、0.21ℓ/日、56円/日
春秋は、0.20ℓ/日、54円/日
冬場は、0.19ℓ/日、52円/日で、若干の違いでしょうか。
夏-冬の差が4円程なので、一月で120円の差ですね。

液化窒素を充填してくれる会社の人に、「損失減らす方法ないですかね?」って
聞いてみると、即答で「無い!」って言われました。
計算してみると若干の差は出ますが、-196℃からすると夏冬の気温の差なんて大したことないので、損失量を減らすなんで難しいようです。
ただ、米の保冷庫のような涼しいところに置いておくのは、いいかもしれないですね。
手間ですけどw

少しお高いですが、ここのメーカーにはSRのシリーズもあって、断熱の違いがあり、損失量を半分近くにするものもあるようです。
トータル的なランニングコストを考えると、こちらの方がいいのかもしれないですね。
但し、再充填期間が長いと言う事は、充填するのを忘れる、と言う事もありますので、注意が必要ですね。

と言う事で、ボンベについて書いてみました。
これ以外にも、種類のいろいろとか、輸送方法とか、盗難防止とか、ボンベにまつわることは色々ありますが、また気になったら書いてみたいと思います。
私もそうでしたが、まだ持っていない人には未知の世界ですし、中がどうなっているのかも簡単に見れるものでもないです。
液化窒素を充填する前の写真も添付してますので、参考にして頂ければと思います。


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新品のボンベですね~外回りの布のようなものは保護用です。



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6本のハンドルがあり、その下にキャニスターがあります。


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普段は覗けないですね。底の真ん中に丸い突起が出てます。
その脇にキャニスターが並びます。お互いが当たらないようにですね。


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6本均等に並んでます。うまく脇に寄せないとキレイに入らないですね。


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これが仕切り板。一応ホプションのようです。
これをキャニスターの筒に入れます。

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1~4までの穴が開いていて、蓋になっています。


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これがゲージです。これをゆっくりと底に着くまで差し込みます。
急いで入れると無駄に蒸発してしまいます。


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底に着いたところ。ゆっくり引き上げます。


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最初は全体白くなっていますが、少し間を置くと浸かったとこだけに霜が残ります。


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私は必ず記録を残して、いつでも見られるようにしてます。



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年間2万円のメンテナンス料が要ります。
もし怠ると、これでは済まなくなりますね。
色分けは、夏が桃色、春秋が緑、水色が冬です。


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カタログデータですね。大きさも本数もいろいろです。
損失量0.183ℓ/日なので、若干多く損失してます。僅かですが。


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なるべく1/4は下回らないようにしたいですね。

2018年8月16日 (木)

BLV(牛白血病) いざ!消毒!

BLVの清浄化へ向けて、又は感染拡大防止へ向けて必ず通らなければならないのが「消毒」。

それをサクッとまとめたものが有りましたのでリンクします。

京都府 中丹家畜衛生情報(No.28-4) 平成 28 年 5 月発行
牛白血病感染拡大防止のための 器具等の洗浄・消毒方法について
http://www.pref.kyoto.jp/chutan-kaho/documents/28-4.pdf

ここは、BLVに特化して消毒方法を示されてます。
助かりますね!

農場管理者はもちろん、授精師、削蹄師、除角作業員の方々は、今一度BLVに対する消毒を実行して頂きたいと思います。

それ以上に、

今現在、これが最も実行されなければならない場面は、「セリ市場」です。

セリ市場で感染拡大の可能性の高い場所はというと、セリ後の処置時です。
購買者毎に、専用の耳標を付けたり、鼻輪を付けたりと、必ず出血を伴う処置が、行われております。セリをスムーズに進めるために素早く処置しなければならないので消毒が煩わしくなるのは分かります。
しかし、ここでBLVに感染している牛の血液が器具に付着し、その器具で後の数頭の牛にその血液が付着することを考えると、感染拡大の大きな要因になってると思います。
市場によっては、清浄化牛を謳っているところもでてきました。

市場の運営者サイドで、BLV感染拡大防止についてよく考えて頂きたいと思います。

2018年8月 1日 (水)

BLV(牛白血病)登録検査や共進会等集合はいかがなものか。

登録検査を、自宅検査で要望していましたが、却下されました。
登録協会のBLVに対する後ろ向きな体質が見えてきました。


昨年、BLVの全頭検査を実施し、清浄化を達成して1年が経ちました。
清浄化をしたが故に見えてくるものもあります。
それは、当農場を出て、他の農場の牛と接触し、帰ってくることの怖さです。
該当するのは、登録検査と共進会(品評会)等が挙げられます。

登録検査は、繁殖雌牛として供用するために、概ね17~24カ月の間、測尺や目視検査を実施して登録証明書(血統書)を発行することです。

それを実施しているのが、公益社団法人全国和牛登録協会です。
各県に支部が存在し、そこが実施主体となっています。

検査方法は、各地域で登録を予定している雌牛を集合させ、一斉に検査登録していきます。
我地域は、三股町単位で集合し、約20~40頭程を検査することになります。
農家はもちろん、役場職員、JA担当者が補助し、登録協会の方が一人または二人ほどで見ていきます。最終的に、登録点数なるものを発表し決定となります。

集合させて検査するというのは効率的で良い方法だとは思います。
予定表にもあります通り、4カ月ほどかけて県内1円回っていきますので、移動も含めてテキパキと進めないといけないのかなと思います。
ですが、恐らくこの方法は20~30年前と同じ方法を取っていると思われます。
牛の頭数もですが、農家件数も相当減少したことと思います。
(自宅検査を認めてるものもあり、一農家4頭以上、農家年齢が70歳?75歳?以上の場合は自宅検査としています。)

話を戻しますが、我が家は8月に「れれ」を19ヶ月目で受験する予定としていました。
三股町は8月28日の午前が該当します。
しかし、8月と言えば、吸血昆虫の真っ盛り。検査場は町の品評会も行われるところですが、特に多いのが黄色い小さなアブ。吸っては飛び吸っては飛び、自由自在に吸血していきます。
もし、そのような場所に、BLVに感染した牛が、1頭でも紛れ込んでいれば、瞬く間にBLVの感染を広げてしまう、そういう危険な場所へと変わってしまいます。
そこでウイルスを貰ってしまった牛は、自農場へ帰り、体内でウイルスを増殖させ、農場内での感染コアとなってしまいます。

初めに書いた通り、我が家はBLV清浄化を達成した農場です。
これには大いなる決断と勇気をもって進めないと出来ないことです。
場合によっては、農場自体大損失を被る可能性だってあります。
なので、繁殖農家は躊躇しているのが現状。

そこへ、登録検査と言う事で、集合検査にのこのこと連れて行って、現地でウイルスを貰って、帰ってきて、更に他の牛達へBLVを拡散させてしまう。
そんなことを、農場の経営者として認めるわけにはいきませんね。

よって、JA担当者を通じて、登録協会へ個別の自宅検査をしてもらうよう要望を6月末にあげてました。
結果、本日8月1日、
「BLV清浄化農家への自宅検査はできない」と登録協会の意思を伝え聞きました。

BLV(牛白血病)の感染は拡大しており、国もガイドラインを制定しこれにより、BLV撲滅へ向けた取り組みを推進している。
ガイドラインの目的にはこう記されている。
【本病への衛生対策としては、家畜の飼養者、家保の職員、獣医師、家畜人 工授精師、関係機関等が一体となって衛生対策に取り組むことが基本である。】
登録協会は当然、関係機関等に十分該当することと思う。

今現在、全国でBLVへの関心が高まり、誰しもが意識するようになってきています。
来年には県の共進会、4年後には全国和牛共進会が控えています。
いずれも登録協会が主催していると言っても過言ではありません。
国の方針、更には現場の声を聞かずして今まで通り進めることができるとは思えませんね。

その第一歩として、現場の声を上げてみたんですが、牛の事より、協会の立場・やり方を重視されたと理解し、ココに上げておきます。

正直残念です。

BLV(牛白血病)は不治の病です。


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登録証明書表面

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登録証明書裏面(血統書)ですね。右上に点数があります。


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赤い矢印が登録の予定日。ここでは当三股は6月8日になってますね。

2017年11月 6日 (月)

BLV(牛白血病)の全体研修会が初めて開催されました。

ようやくです、ようやく。
町の和牛生産部会として、公式に研修会が行われました。

平成29年11月2日に、都城家畜保健衛生所の方により
「牛白血病(BL)とその対策について」と題して説明がありました。

家保の方は、以前エライザ法の説明に我が家に来ていただいた方でした。

内容は、かなり細かく説明され、分かり易かったです。
ただ、初めてBLVについて耳にされた方には、やや難しかったかもですね。
それに、時間を押したので、質疑応答の時間がほとんど取れなかったので、
疑問が残った方も多かったことと思います。
以前、我が家に説明に来ていただいた時、やはり小グループで研修会して、
個々の疑問をひとつひとつ解消していくことが、理解につながると言っておられたので、
全くその通りだと思いました。

もしかしたら、「研修会をしました」という実績だけが残った、とならない事を願うばかりです。

私からの質問で、検査費用について聞きました。
家保の行う検査については、予算化されており無料ということでした。
それ以外の採血費用については、なるべく負担が少なくなるよう部会側で検討中ということでした。
私が検査をしたときからすると、前進したようですね。

ですが、残念なのは、市場を握っているJAとしての考え方、方針、今後の対応について、説明が無かった事ですね。
積極的で踏み込んだ内容を期待したいです。


これを機に、一軒でも検査に踏み切り、BLVが無くなるような動きにつながってほしいところです。



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ここが一番大事で、検査して終わりではないところが、このBLV問題のイタイところ。

2017年7月11日 (火)

BLV(牛白血病)がん免疫薬で予防?

6月のある日、

「 北大、治療法ない牛白血病をがん免疫薬で予防 

という日経新聞電子版の記事が回ってきました。
Blv

人のがんなどの治療に使うがん免疫薬の仕組みを応用したもので、
治療法がない感染症の予防薬として実用化を目指す。

と書かれています。
でも、多くは語られておらずソース元も無いため気になっていました。

そこで色々と調べてみると、出てきました元情報の論文が。


2017年4月27日付 
牛難治性疾病の制御に応用できる免疫チェックポイント阻害薬 (抗PD-L1抗体)の開発にはじめて成功

2017年6月7日付 牛難治性疾病の制御に応用できる免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体)を,抗PD-L1抗体薬に続き開発

この2つがセットになっています。
内容はと言いますと、かなーり難しいのですが、

ウイルスによって免疫力を抑制されたものを、この免疫チェックポイント阻害薬で再活性化し、生体内でウイルス量を減らす。

というものらしい。
免疫チェックポイント?、T細胞?、阻害薬?、どこかで聞いたことないでしょうか。

あの、がん治療薬の最先端の薬品「オプジーボ」 

T細胞にかかったブレーキが外され、T細胞は活性を取り戻して、再びがん細胞を攻撃できるようになり、がんの治療として保険適用になったという話。
高額な薬品だけど、数万円で治療できると期待されてますね。

要は、この仕組みを牛の細胞に適用できるようになったというのがこの記事で、結果してBLVウイルスやその他の難治性疾病に適用しうるというものです。

むかーしのCMで「臭いにおいは元から立たなきゃダメ!」とありましたが、正にそれですね。

今夏より実証試験を開始するとしています。
気になるのは、その効果と食肉としての適応ですね。
牛白血病を発症したものは無理としても、BLVに感染している牛への治療・発症抑制・ウイルスの極少化、ですかね。
そして、ワクチン化しての感染抑制でしょうか。
いろいろ考えられますね。

ただ、後はお金の問題。
はたして、経済動物への医薬品として採算が合うところまで抑えられるのか、ココが大きなキーになるのは必至です。

そして、重要なのは、この記事で農家さんが受けた印象は
「なんだ、BLって治療できる病気になったてことじゃん

となってはまずいですね。
まだまだ開発段階ですし、数万円もしたら多頭には意味は無いですから、感染を抑制して抑制して、最後の所で使うようにしていかないといけないですね。

ま、どちらにしても、今後の開発が期待されることは間違いないですね。

2017年6月27日 (火)

BLV(牛白血病)食肉衛生検査所での病理検査。

牛はと畜後、牛肉として店頭に並ぶ前に、食肉衛生検査所で様々な検査が行われます。
そこで食用として検査合格したものだけが、出荷されます。

ここでは、異常が認められたものの内、牛白血病が疑われたものについて、その検査過程を記事にされています。

当然、牛白血病として診断されたものは、内臓も含めて全て廃棄となります。
食用として出回らないよう、ここの検査所の方々が食い止めているんですね。

宮崎県の職員のブログで、小林食肉衛生検査所の方の現場の記事です。

参考までにリンクさせていただきます。

病(やまい)の理(ことわり)を読み解く仕事

https://blogs.yahoo.co.jp/miyazaki_prefecture/27900207.html

2017年5月13日 (土)

BLV(牛白血病)の再検査でも陰性でした。

これで、BLV(牛白血病)は完全フリーになりました。

完璧な清浄化が達成です。

今年の1月に全頭検査し、全て陰性を確認できていました。
これで清浄化は達成なのですが、1頭だけ10月に外部導入しており、導入直前に感染している場合、抗体が上がってこないこともありうると。しかし、導入から2カ月経つので判別できるのでは、との回答でした。
ですが、念には念を入れたいので、この牛だけ再検査しました。

結果、3月31日採血の、4月5日付で「陰性」の検査結果でした。

これで、安心して牛と接することができますし、自信をもってセリに出せます。

Blv

2017年4月15日 (土)

BLV(牛白血病)エライザ検査法とは

エライザ(ELISA)検査法について調べてみた。

BLVに感染しているかどうかを検査するのに、牛から採血して家畜保健衛生所(家保)へ持ち込み検査してもらうのですが、実際どのような検査方法を用いて判断されてるのか分からなかった。
なので、ぜひ「検査しているところを見せてほしい」とお願いしたが、却下された。
というか、色々な病気を持ち込むところなので、あまり飼い主は立ち入らない方がいい、という安全面を考慮してだった。それと、見てても時間がかかり待つことになるので、お勧めしないというものでした。

ですが、説明には来れるということでしたので、ぜひお願いしてちょっとした勉強会となりました。

メンバーは、家保、普及センター、役場、そして私とお隣の牛飼いさんで。

それで、家保で実際にBLVの検査には「エライザ(ELISA)キット」というものをつかうそうだ。
ネットでもいろいろ調べているうちによく目にする名前です。

ざっくりと超~簡単に説明すると、

「BLVウイルスを発色させてその発色の強さで判定する」

というものです。下の写真に詳しく書かれています
(1)まず、96ウェルという穴の中にBLウイルスが張り付けてあるプレートを用意する。
(2)そこに、採血した希釈血液を流しこむと、含まれる抗体がウイルスとくっつく。
(3)そこに標識体を流し込み、抗体と標識体をくっつける。
(4)そこに発色基質を流し込み、標識体と発色基質とをくっつける。
(5)採血した血液に、抗体が含まれていれば強く発色するので、その度合いを、機械で定量測定し判定する。

という原理で、ひとつのプレートで44頭もの検査ができるそうだ。
ただ、各手順ごとの反応に30分、そして洗浄の時間がかかり、数時間は検査にかかるようです。最後に機械で判定するところは数分らしいですが、その前段が手間ですね。

精度は高いそうですが、感染直後の場合抗体か少ないため、発色が弱くなり検出できないそうです。なので、6カ月未満の子牛や、導入直後の牛は検出できない、または再検査を要するようです。ということで、キット化されていて手順も簡潔で分かりやすく、はっきりと白黒が判定されるそうです。
プレートを用意すれば、45頭以上でも測定は出来るようです。
なので、手順が分かり、検査要員さえ確保できればスピードは確保できるようですし、外注して家保以外でも検査は可能なようです。

しかし、ボトルネックは、やはり現場での採血の時間ですね。
全頭採血となると、結構手間暇かかり、ストレスでゴタゴタありそうですので、気を付けないといけないところですね。

因みに、このエライザ法は白黒つける分にはいいですが、抗体数が上がっていてリスクの高い牛を判定するのには向いていないようです。
こちらでは、宮崎大学で有料(数千円)ですがPCR法でも検査してくれるそうです。
これだと、感染している牛でも、高リスク牛と低リスク牛とに分けて判定するそうです。これだと、廃用や肥育向けの判断に利用できますね。


ということで、今回はエライザ(ELISA)検査法でした。
何分素人なもので、間違った表現もあるかもしれませんので、その際はご指摘ください。
また、補足が必要な時は、コメントでお願いします。

今回ご説明頂いた家保のSさんありがとうございました。

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2017年3月21日 (火)

BLV(牛白血病)清浄化を民間の力で。

そもそも、BLVに感染しているかどうかの検査を、公的機関の家畜保健衛生所=(家保)で行っているが、民間の獣医師のいる診療所等ではできないのだろうか?

先の記事で、法的位置づけについて書いてみたが、感染力が弱いせいかどうかわからないが、法律的には明確な対処法は書かれていない。
家畜伝染病予防法施行規則=(施行規則)に、牛白血病は「伝染性疾病」、として位置づけられているだけである。
そして、家畜伝染病予防法=(予防法)の第4条に、「届出伝染病」として定義され、知事に届けなければならないのは周知の事実。

ですが、それらは牛白血病を発症した牛の場合であって、BLVに感染している牛の取り扱いは、牛白血病に関する衛生対策ガイドライン=(ガイドライン)に則ることとなってます。
その(ガイドライン)には、
「清浄化には、家保の職員、獣医師、家畜人工授精師、関係機関等と協力し て、計画的に進める必要がある。」
と記されているが、家保が検査をすること、とは謳っていないです。
公的機関である家保が検査するのが最も良いことは分かりますが、人的余力があるかと言えば、それはNoだと思う。本病の増加が止められない今、検査そして清浄化へと取り組むには、スムーズな検査があってこそ、増加が止められることと思う。

こういう時こそ、民間の力を使うことは当然だと思う。というか、民間でもできることを、公的機関だけがするよう縛っているのは、一種の民業圧迫ではないだろうか。
(どこかに、家保が検査すること、と謳っているのかな?)

同じ機材、同じ検査方法、同種の検査キット、そして家保と同程度の知識、技術力を備えた優秀な人材は民間には多く存在する(と思う)。それに、折しも団塊世代の定年を迎えた獣医師もいるのではないだろうか。

BLV清浄化プログラムとして、検査-清浄化計画-更新実施-歯止策、と一連のアドバイスをする民間の団体があってもいいのではないだろうか。
当然、家保の承認や認可関係は必要になるだろう。
特に、この更新実施と歯止策に関しては、家保としては何もできないが、民間だと、感染牛の肥育向け販売や、BLフリーの繁殖牛の斡旋などにも対応ができるのではないだろうか。

国は、検査と感染対策に関しては補助金を工面できるが、それ以上の手立てができないでいるように見受ける。
先の記事にも書いたように、牛自体の更新もなじまない。
であれば、こういった民間団体の検査機器や人件費や防疫資機材への補助金の投入は可能なのではないだろうか。

今正に喫緊の課題である増加を止め、更には国全体のBLフリー化への道筋ができるのではないのだろうか。

ここらで、BLVの清浄化対策に、民間の力を投入するときだと思いますが、いかがでしょう。

2017年3月 2日 (木)

BLV(牛白血病)の法的位置付け。

どうしても、口蹄疫の影響が大きかったせいか、牛白血病としての清浄化について殺処分など同様に考えてしまうきらいが今でもある。
なので、大元の法的な位置付けについてみてみた。

対象となる法律が

とりあえず、この(予防法)の目的をおさえておきます。

(目的)
「この法律は、家畜の伝染性疾病(寄生虫病を含む。)の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図ることを目的とする。」
とされてます。

(家畜伝染病の定義)ですが、牛に限っていえば、
  • 牛疫
  • 牛肺疫
  • 口蹄疫
  • 伝達性海綿状脳症(BSE)
と、15項目がありますが、牛白血病はありません

そこで、「患畜」とは、この家畜伝染病にかかっている牛をいい、
「疑似患畜」とは、この家畜伝染病にかかっている疑いがある、又は触れた疑いがある牛をいいます。

そして、この患畜は(予防法)の第16条で、「所有者は、直ちに、殺さなければならない。」と義務付けされています。
更に、(予防法)の第17条で、「知事が、まん延防止のため、患畜を殺処分することを命ずることができる。」とし、
疑似患畜については、「大臣が、まん延防止のため、殺処分の指定をし、知事が、疑似患畜も殺処分することを命ずることができる。」
とされています。



一方、牛白血病はというと、施行規則に「伝染性疾病」として定義されています。

(伝染性疾病)は、牛に限っていえば、
  • ブルーダング
  • アカバネ病
  • 悪性カタル熱
  • チュウザン病
  • 牛白血病
と、22項目が定義されています。

(届出義務)「届出伝染病」
その伝染性疾病に「かかっている、又はかかっている疑いがあることを発見した場合は、獣医師が知事に届けなければならない」、として(予防法)の第4条に規定されています。

ですが、牛白血病にかかった牛のその後の扱いについては、(予防法)(施行令)(施行規則)共に、何ら具体的には明記されていないですね。

因みに、この「かかっている、又はかかっている疑い」とありますが、この「かかる」は「罹る」と書きますので、「発症している、又は症状を呈している」という意味で捉えられると思います。
ということは、BLVに感染している状態ではないということだと思います。

じゃぁ、牛白血病としての扱いはというと、先に書いた(管理基準)と(ガイドライン)に行きつきます。
家畜としての健康状態を常に監視し、異常があったら即座に対応するよう書かれた(管理基準)。
そして、その中でも経済的影響が大きく、感染の拡大を止められない牛白血病は喫緊の課題であり、それを(ガイドライン)として定められているようです。



まとめますと、

家畜伝染病、としての口蹄疫。

伝染性疾病、としての牛白血病。

と分けて管理されています。空気感染をする口蹄疫の、その感染力の強さとは、明らかにレベルの違いがあるのだと思われます。


そして、それを象徴するように、患畜だけでなく疑似患畜という「触れた疑いがある」というところまでターゲットにしている点。
更には、所有者の意思には関係なく、大臣及び知事名で殺処分まで命ずることができる点は大きいですね。
所有者の、家畜という財産を奪うという意味では、収用法的な意味合いを持つようです。
患畜、疑似患畜という診断を受けた段階から、家畜としての資産価値を失いますので、その損失補てん金は必要ですね。


そう思うと、牛白血病は何らかの媒体を通じて、BLウイルスを含む血液を介さない限り、感染はしないし、発症もしないという点では、ややレベルは低く管理できる範囲と思われます。
発症すれば廃棄処理の為、資産価値は失われますが、BLVに感染しても数年間は通常の繁殖もできますし、肥育して肉としての販売も可能なので、家畜としての資産価値は十分あります。
口蹄疫のように、清浄化の名目のもと殺処分して損失補てん金を充てるという考え方は、BLV(牛白血病)の清浄化にはそぐわないですね。


ということで、
ざっくり書きましたが、口蹄疫と牛白血病とを、法律の上で同列に扱うことには、かなり無理がありますね。

やはり農家単位で、地道に淘汰・更新と、水平・垂直感染を防ぎながら、清浄化を進めるべきと思います。


因みに、現在口蹄疫が侵入して、殺処分となった場合、その患畜および疑似患畜の殺処分での損失補てん金は、「手当金」として支払われます。
その金額は、(家畜の評価額の最高限度額)として、牛にあっては95万円、と平成28年9月14日付改正の(施行令)第8条に明記されています。
2018年9月
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