都城地区も生産農家においてBL清浄化へ動くことになりました。
大きな柱は2つ。
1、令和3年12月セリ市出荷するメス牛より陰性牛「タグ」表示する。
2、支所品評会、及び郡市和牛共進会に出品できるのは陰性牛のみ。
これは大きな一歩となります。
繁殖メス牛として導入するにあたり、不治の病であるBLに感染していないことは、
導入農場の清浄化は元より、他の牛に感染を広げ経済性を低下させる要因を無くすことで、
経営の持続性を担保できます。
このことは、畜産という産業から見れば小さなことかもしれませんが、国連が提唱する
「持続可能な開発目標(SDGs)」ともリンクする取り組みです。
8、 働きがいも、経済成長も
9、 産業と技術革新の基盤を作ろう
12、つくる責任、つかう責任
この3つの目標に該当すると思います。
ここで増え続けるBLV感染牛及び発症牛を抑え込むことは、今後10年後・20年後を見すえた時に、
和牛生産の持続可能な産業としての大きな転換点になることと思います。
スケジュール:
12月セリ上場分から陰性タグ表示。
検査はその2か月前に実施。

その他具体的内容:

目的に農場の全頭検査による農場清浄化までは謳ってない。
あくまで個々の農場のことはそれぞれで対応することなので仕方がないが、もう一押し入れてほしかった。
今回の対応は市場清浄化となる。

セリの2か月前に、希望する農家がメス牛のみ検査する。

BL検査で陰性だったものが、支所品評会へ出場し、そして郡市共進会へも出場できる。
当然、郡品で優等に入賞すれば県からの補助金が付くことになる。
そのことからも、BL陰性は今までも絶対条件であったはずである。

陰性牛は「タグ」付け、名簿への明示が為さられ、電光掲示板へも表示されることと思う。
陽性牛と未検査牛と去勢牛は今まで通りセリを行う。
ここでは、希望する農家は母牛の全頭検査を実施とされているが、陰性牛でも全頭検査すべきと思う。
といった内容で、タグの名称や、セリ場のオペレーション、陽性母牛の扱いなど、課題も多い。
今後検討が進む中で、適宜決めていってほしいと思います。
併せて波及する効果として、登録検査時の登録牛が全て陰性牛ばかりになるということ。
但し、検査を受けない牛も中にはいることとなるが、自ずと未検査牛がアウェイになることは必至である。
登録検査は生産農家が必ず通る道。
ここでの牛が集合することでの感染のリスクが低減されることは大きな効果ですね。
今回、強調されていたのは、検査後の情報の管理、についてだった。
当然、農場の清浄化へは長い道のりになるところもあるし、市場での値段への影響もあるので、
JAでは管理を一人に絞るとしていた。
確かに必要なことだと思う。
だが、逆を言えば自らの意思で農場の清浄化へ取り組み清浄化を達成している農場は、積極的に公表してほしい。
こんなことを言うと、優遇してるとか、自分たちだけ卑怯だ、とかあらゆる声が届くのだと思うけど、
良きことを、リスクを先取して実践しているところは、むしろ差別化して伸ばしていくことのほうが
事業を進める上では健全なことだと思う。
質問では出さなかったけど、是非検討してもらいたい。
それに関連し、説明会に家畜保健衛生所の方も同席されていたので説明会後に伺ってみた。
BLも農場の清浄化を達成した農家には何らかの証明を発行してほしいと。
口蹄疫で終息後数か月経つと、OIE(国際獣疫事務局 )から清浄国のステータスを認証してもらい、
その後の和牛肉の輸出に大いに役立った。
ステータスの認証には、その国が清浄国ですよ、という現在の位置づけと、もう一つに、そのステータス状態を
維持する強い圧力になる。
今後BLの清浄化が進むと、それを維持することが課題になることが目に見えてくる。
県内全市場がBL清浄化に向けて足並みがそろった今、宮崎でBL清浄化ステータスを構築してはどうか、
と提案してみた。
これができるのは第三者である県の、それも家畜保健衛生所でないと構築でないので、これで満足せず
更にアクセルを踏んでもらいたいなと思います。
ということで、とりあえず「市場清浄化」へと進むことになるようですが、各々で「農場清浄化」へ向けて
取り組んでほしいなと思います。
検査料を補助してほしいなど、目先のケチ臭いことを言ってる人はほっといて、できる方から頑張ってほしいと思います。
必ず自分に返ってきますので。
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